永岡桂子文部科学相は18日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対して宗教法人法に基づく3回目の質問権を行使するため、宗教法人審議会に質問事項を諮問し、了承された。同日午後に質問文書を発送する。回答期限は2月7日で、解散命令請求の可否判断に向け、さらなる証拠の積み上げを目指す。

永岡文科相は冒頭、「組織性、悪質性、継続性の判断に当たって必要な事実関係を把握するため、より詳細な報告を求める」と述べた。文化庁は今後の回答を踏まえ、追加の質問権行使が必要かどうか判断する。

1回目の調査では、旧統一教会から組織運営や財産・収支に関する段ボール箱8個分の資料を入手。関係者によると、文化庁が想定した資料が含まれておらず、教団の意思決定の仕組みや資金の流れが十分に解明できていないという。

今月6日が回答期限だった2回目の調査では、高額献金などを巡り教団の組織的不法行為や使用者責任を認定した22件の民事判決に関する資料を求め、法令順守に向けて教団が2009年に示した「コンプライアンス宣言」の取り組み状況を尋ねた。教団は関連文書を提出し、文化庁が精査している。

質問権は解散命令につながる法令違反などが疑われる場合に行使可能で、権限行使のたびに宗教法人審議会に諮問する手続きが必要。審議会は宗教関係者や大学教授ら計19人で構成する。(共同)