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Sunday, April 17, 2022

大崎事件の再審可否、絞殺か事故か死因争点 証拠の「明白性」「新規性」どう判断 第4次請求 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

大崎事件の経過

大崎事件の経過

 1979年に大崎町で男性の変死体が見つかった「大崎事件」で、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(94)が裁判のやり直しを求めた第4次再審請求は1月に審理を終え、鹿児島地裁は今後、再審開始の可否を決める。事故死を主張する弁護側は新証拠として死因と供述の信用性に関する専門家の鑑定を提出。再審開始には「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した」と認められる必要があり、証拠の「明白性」「新規性」の判断が争点になる。

 確定判決によると、原口さんの義弟だった被害男性は、酔って道路脇の溝に落ちているのを近隣住民2人に発見され、自宅に運ばれた後、原口さんらに絞殺された。原口さんが義弟の生活態度に不満を募らせ、夫ら親族2人と共謀。タオルで絞殺後、おいを加えた4人で牛小屋に遺棄したと認定した。

 原口さんは捜査段階から一貫して否認し、弁護側は死因を絞殺による窒息ではなく、事故死と主張する。

 証拠として提出したのが、救命救急医が解剖時の写真を基に鑑定した医学鑑定だ。男性は自転車から溝に転落したことで首を損傷し、全身状態が悪化したとする。黒く変色した腸に着目し、壊死えしした腸管からの大量出血が死因とした。

 また、近隣住民2人が被害男性を救助した際、軽トラックの荷台に放り込むなどしたため、首の損傷が一気に悪化したと主張。被害男性宅に到着する前に死亡していた可能性が高いとした。

 もう一つの証拠が救助した2人の供述鑑定。「生きている状態の男性を土間に運び入れて退出した」との供述について、心理学や情報科学の専門家に分析を依頼。「実際の体験に基づかない兆候がある」との見解が得られ、供述の信用性に疑問を呈する。

 弁護団は「被害男性は自宅に到着した時点で死亡しており、絞殺されたとされる時間に生きているのはあり得ない」と訴える。

 一方、検察側は医学鑑定を「当時の写真で得られる情報は限定的。死体の色調などを基に、死因や死亡時期を結論付けているが、証明力には限界がある」と反論。供述鑑定についても、鑑定方法などを疑問視し、「信用に値せず、仮に両鑑定を踏まえても供述の信用性が減殺されることはない」と指摘する。いずれの証拠も「新証拠に当たらないことは明白」として、請求棄却を求めている。

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