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Sunday, May 31, 2020

配布残まだ7割以上のアベノマスク、緊急事態宣言解除後に配布が本格化 - BCN+R

 「たった2枚?」と当初から評判の悪かった、政府の布製マスク全世帯配布施策。まだ25%程度の世帯にしか届いていない。新型コロナに伴う緊急事態宣言が全国で「解除」された5月25日時点の数字だ。厚生労働省によると、東京都で配布を開始したのが4月17日。東京都以外の特定警戒道府県への配布開始が5月11日。検品に手間取ったとはいえ、残りの地域への配布開始が5月23日だというからあきれる。
評判の悪い「アベノマスク」。間抜けな政策の代名詞になりかねないが……

 47都道府県中おおむね配布が完了したのは、東京のみ。次いで、配布率が高いのが福岡で40~50%。大阪府と京都府が30~40%、20~30%が鹿児島。ほか13道県で10~20%、残り29県でまだ10%の世帯にも届いていない。

 東京以外の首都圏でも、千葉県で10~20%程度、埼玉県、神奈川県で10%未満という惨状だ。6月3日までには、59%程度まで配布できる見込みで6月中旬にも全世帯への配布を目指すという。

 一時、極端に品薄だった使い捨てマスク。まだ通常よりも高価で品質が不安なものもあるが、ゴールデンウイーク明けの5月初旬から市中に再び流通し始めた。シャープやアイリスオーヤマなど、マスクの国内製造に参入する企業も増加。「今更布製マスクはいらない」との声も出始めている。

 この時期になって配布が本格化しているアベノマスクは、雨が止んでから配布する傘のようなものだ。「アベノマスク」という言葉が、間抜けな政策の代名詞になりかねない。そもそも、おおむね配布が終わっているはずの東京でも、アベノマスクをしている人を街中で見かけたことがない。
 

ガーゼ4層構造で、マスク自体のつくりはいい。良品なら十分機能しそうだ

 不良品が大量に発生し、品質面でも批判の多いアベノマスクだが、良品であればマスク自体の出来はまずまずだ。ガーゼ4層構造で、つくりも丁寧。不織布製のサージカルマスクに比べれば、飛沫の遮断効果は劣るかもしれないが、それなりに効果はありそうだ。

 小さすぎるという意見も多いが、顎まで隠れる大きな使い捨てマスクが標準になってきたのはこの20年ぐらいのこと。使い捨てのサージカルマスクが出回るようになってからだ。それ以前は、これくらいの大きさのガーゼマスクが一般的だった。アベノマスクの大きさも、なんとか許容範囲だろう。

 アベノマスクは1世帯あたり2枚の配布だが、3人以上の世帯の場合は追加配布を請求できる。厚生労働省のサイトで「おおむね配布完了」としている都道府県が対象。現在は、東京都のみが対象だ。マスクの配布は、追加分を含め一人1枚。最初に配られた2枚で足らない3人以上の世帯で申し込める。届いていない場合も同じページで「未配達(届いていない)」として、配布を求めることができる。

基本1世帯に2枚だが、3人以上の世帯なら追加を請求できる

 どうやってアベノマスクを活用するか。手許にマスクがなければ、すぐに使おう。今すぐ必要ないなら、何よりこの秋から冬にかけてやってくると恐れられている第2波、第3波に備えてとっておくのが一番だ。感染が再燃してマスクが払底した際の保険だ。地震や洪水などの自然災害時に持ち出す備品として非常持ち出し袋に入れておくのもいいかもしれない。

 もし、すでに十分なマスクがあり、アベノマスクがまったく不要なら寄付することもできる。多くの団体で寄付を募っている。追加の検品費用も含め500億円近くも費やして全国民に配布するマスクだ。有効に使いたい。(BCN・道越一郎)

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