ゴール前混戦となった、サンケイスポーツ賞フローラＳを制したウインマリリン（黒帽）【拡大】
デスク 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中央競馬は日本ダービーが行われる５月３１日まで引き続き無観客で行われることになった。東京開幕週の日曜メインは、社杯のサンケイスポーツ賞フローラＳ。社杯といえばＧＩと同じようなもの。みんなもＧＩ並みに必死に予想したはずだけど…。今回、登場する関東競馬エイトの沢田知希トラックマン（ＴＭ）の本命は１０着のヴォリアーモか。残念。言い訳はあとで聞くとして、まずは勝ったウインマリリンから話を聞こうか。君の印は△だね。◎をつけた椋木ＴＭに出てもらえばよかったよ。
沢田ＴＭ そんなことは言わず…。椋木さんは現場にいませんし。
デスク それじゃ仕方ないね。ウインマリリンはどうして△？ ４番人気だよ。
沢田ＴＭ 開幕週の絶好の馬場で行われるので、切れ味勝負になったときにどうかと思っていたから評価を下げました。この馬、これまで最速でも上がり３ハロン３５秒４の脚しか使えていないんです。
デスク それにしても、東京競馬場は風がすごく強かったね。画面が揺れていたし、最後の直線では、強風でダートコースから大量の砂ぼこりが立ち上がって芝コースまで来ているのがテレビ越しでもはっきりと見えたよ。
沢田ＴＭ 勝因のひとつが、それです。向こう正面は追い風で、直線は向かい風。それもあって直線は伸びづらく、前のレースから前残りの傾向でした。ウインマリリンは４、５番手で競馬ができたし、道中は馬群の中にいて強風によるスタミナの消耗が少なかったし、僕が懸念していた上がりの速い競馬にならなかったし…。
デスク 確かに、この強風は読めないね。レースを振り返ってよ。
沢田ＴＭ パドックではチャカつき気味でしたが、レースにいくと落ち着き十分。道中は好位のインでロスなく立ち回り、直線で前があいてから鋭く抜け出すと、最後はホウオウピースフルの強襲をクビ差しのぎました。見事な騎乗ぶりで横山武史騎手が重賞初勝利を飾りました。
デスク でも、必死だったのかゴールの２００メートルほど手前でムチを落としていたよ。
沢田ＴＭ それ、パトロールビデオを見て知りました。でも競馬の内容は見事でしたよ。そうそう、レースを見ていて直線で「あーっ！」という叫び声が競馬場に響き渡ったんです。「なんだ？」って思っていたら、パトロールビデオで横山武史がムチを落としていたので、その叫び声だったのか、って。
デスク 無観客ならではエピソードだね。面白い話をありがとう。
沢田ＴＭ いいえ。
デスク オークスではどうだろう？
沢田ＴＭ 本番でも、切れ味勝負になったときはどうか…。そういう部分が鍵になってくると思います。
デスク ５着に敗れた１番人気のスカイグルーヴの敗因をどうみているの？ 馬体重は前走より１４キロも減っていたね。
沢田ＴＭ 腹回りが巻き上がって、やや寂しい印象を受けました。パドックで見て「えっ！？」と思いましたね。１週前にすごくいい調教をやって、レース週は軽めで臨みましたが、結果的に１週前でハードにやりすぎたということでしょうか。
デスク 道中で掛かっているように見えたけど。
沢田ＴＭ 序盤でやや力んだものの、この馬にとっては許容範囲です。途中から息が入り、直線まではリズム良く運べているように思えましたが、そこから伸びを欠きましたね。ガス欠という感じです。
デスク 賞金でオークスは出られそうだけど。
沢田ＴＭ 大幅な馬体減でトライアルに出走しただけに、本番に出るとすると調整が難しくなりましたね。どう仕上げていくか注目です。馬体が成長すれば当然、巻き返しができる馬です。
デスク ２番人気のホウオウピースフルは、２着でオークスの優先出走権を獲得。
沢田ＴＭ 今回４７８キロで出走したように、このメンバーに入ると馬格のある方で、直線では強風にもブレず、パワフルな脚取りで真っすぐ走り、勝ち馬に迫りました。パトロールビデオを見ると、強風のあおりを受けてフラつく馬が多い中、この馬は違いました。芯が強いですよ。
デスク オークスは？
沢田ＴＭ 結構、行きたがっていた面を見せていたので、さらに距離が延びたときにどうか。今回は前の馬を壁にしてなんとか我慢できたけど、「気性はマイラー」と言われている馬だけに…。でも、馬体や走りからは長めの距離が向いているし、能力は相当ありますよ。さすが有馬記念の勝ち馬ブラストワンピースの妹という感じですね。
デスク ３番人気のレッドルレーヴは７着だったね。
沢田ＴＭ 好位でしっかり折り合い、直線半ばでは一気に先頭に躍り出る勢いでしたが、そこでガス欠してしまいました。体重が８キロ減って、本調子になかった感じです。
デスク ５番人気のフアナが３着と頑張ったけど、収得賞金４００万円の１勝馬だから優先出走権を取れなかったのは痛いね。
沢田ＴＭ １勝馬でもオークスに出られる年はありますが、今年はどうでしょう。ここまで関西圏で競馬をしていたので初めて実際に見ましたが、良血らしく、すごく馬体がいいし、フットワークもさすがでした。ただ、馬体の線が細いのでどうかとも思っていたので、３着に来て驚きました。道中でも他の馬にぶつけられてバランスを崩しながらも動じなかったので、強い精神力も持っています。将来性は相当あり、楽しみな馬ですよ。
デスク さて、君の本命ヴォリアーモについても聞こうか。では言い訳をどうぞ（笑）。
沢田ＴＭ 結構、自信があったんですよ。うまく外に出せるかだけと思っていたんですが、見事に馬群にもまれてしまいました（苦笑）。跳びが大きくてきれいで、エンジンがかかるのに時間がかかるタイプだけに、初の多頭数競馬でゴチャついたのが響いた印象です。前があいてからは脚を使っていたけど…。現状では少頭数での競馬が狙い目ですかね。スムーズな競馬ができれば、確実な末脚を使えます。
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April 26, 2020 at 03:59PM
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