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Friday, April 5, 2024

新証拠! 米外交官の神経が侵される「ハバナ症候群」の犯人はロシアだった!?(塩原 俊彦) @gendai_biz - 現代ビジネス

この10年間、世界中の米外交官、高官、諜報部員などは、「ハバナ・シンドローム」(ハバナ症候群)と呼ばれる神経症状(めまい、吐き気、頭痛、聴覚障害)に悩まされる事件に直面してきた。アメリカのテレビ局CBSの『60ミニッツ』、ドイツの雑誌『シュピーゲル』、ロシアの調査報道ウェブサイトの『ザ・インサイダー』の共同調査によって、この「攻撃」の時間と場所がロシア軍の参謀本部諜報総局(GRU)の29155部隊に属する人物の旅行と相関していることが判明した。

被害者は、襲撃の前か直後に29155のメンバーを目撃し、写真から彼らを特定した。また、GRU傘下の軍事医学アカデミーがハバナ症候群による臨床効果を研究していたことや、29155の主要メンバーが音響兵器を開発する政府契約を受けていたこともわかった。つまり、ロシアが恐るべき秘密の「音響兵器」を使って、「敵」を攻撃している実態に一歩近づいたというのだ。

『60ミニッツ』の報道

有名なドキュメンタリ番組である『60ミニッツ』の報道では、まず、2021年にフロリダの自宅で攻撃を受けた現役のFBI捜査官が登場する。

突然、ランドリールームの窓際にいた彼女の右の耳のなかから顎、首、胸にかけて圧迫感と痛みが走りはじめたという。同時に彼女の携帯電話のバッテリーが膨張し始め、ケースが壊れるまでになる一方、ついに彼女はソファで気を失った。胸の痛みのため、彼女は心臓専門医の診察を受け、その後職務に復帰したという。

アメリカ人をねらった「ハバナ症候群」の攻撃について報じる『60ミニッツ』 (出所)https://ift.tt/HBaSGVF

ついで、彼女への攻撃に関与したと思われるヴィタリイ・コヴァレフなるロシア人について語られる。彼の素性を調べ上げたのが『インサイダー』の主任調査員クリスト・グロゼフだ。

軍の研究所で2年間働いた後、コヴァレフはなぜか突然、シェフになることを決意し、アメリカに移住したのだという。その後、ニューヨークとワシントンDCでシェフとして働いた。彼は、ロシア人スパイを捜査するFBI捜査官の事情聴取を80時間も受け、警察からの逃亡と無謀運転で有罪を認めたという。

30カ月の刑期を終え、2022年にロシアに戻ったコヴァレフだったが、2023年に死んだとの死亡診断書が見つかったという。コヴァレフはウクライナの前線で殺害されたと書かれている。

実は、彼女を襲った症状こそ、「ハバナ症候群」とよばれている。この問題が初めて公になったのは2016年のことだった。キューバの首都ハバナの領事館に勤務する多くのアメリカ人とカナダ人が奇妙な現象を経験したのだ。

彼らは突然気分が悪くなり、耳に強い圧迫感(時には痛み)を感じ、吐き気やパニック発作を起こし、その後、意識の混濁、集中力の問題、平地でのバランス感覚の喪失、聴覚過敏、睡眠障害といった影響が数カ月から数年にわたりつきまとうようになった。こうして、事件はハバナ症候群として知られるようになったのである。

しかし、その2年前、少なくとも4人のアメリカ人がドイツのフランクフルトで症状を報告したことからはじまったことがわかっている、と番組は伝えている。

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