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Saturday, January 6, 2024

「ノアの方舟」の存在を示す証拠を発見したかも…考古学者たちはそう考えています|エスクァイア日本版 - Esquire(エスクァイア 日本版)

記事のポイント

  • 考古学者たちは、トルコのアララト山で「ノアの方舟(はこぶね)」が最終的にたどり着いた場所を発見したかもしれない…と考えています。
  • アララト山の頂上から採取した土壌サンプルからは、人間の活動の痕跡と海洋物質が検出されました。
  • この場所の岩石と土壌の年代測定は、旧約聖書にある「ノアの方舟」の時期と一致します。

「ノアの方舟」をめぐる
考古学者たちの物語に
新たな1ページが…

トルコおよびアメリカの3大学の研究チームはおよそ1年を費やし、トルコ最高峰のアララト山にある有名なドゥルピナー遺跡の地層(Durupinar formation)から岩石と土壌を分析しました。結果、彼らは「船の形をしたこの場所が、伝説の『ノアの方舟(Noah's Ark)』の遺跡であることの可能性がさらに高まった」と考えています。

旧約聖書の最初の書、キリスト教、ユダヤ教の聖典の一つ『創世記』の6~9章にかけて、地上に蔓延する悪と邪悪を滅ぼすために起こる大洪水からノアの家族と1組ずつペアにされた動物たちを救うため、神がノアに巨大な方舟を建造するよう指示したことが記されています。そうして「ノアの方舟」が建造されたのが紀元前3000年頃、今から約5000年前とされ、そこで地上は40日間洪水に見舞われ、地上に生けるものを滅ぼしつくされます。そして浸水は、150日間かけて続きます。その後、水が引くと方舟は現在のトルコの東側アララト山の上にたどり着いたとされています。

そしてこのたび研究チームは、「山中にある舟形の地層を分析したところ、紀元前5500年から紀元前3000年と推定できる層の中に洪水後の数年間、人間が活動していた痕跡を見つけることができました」と主張しています。

トルコ共和国の国立AICU(アール・イブラヒム・チェチェン大学)の副学長でもあるファルク・カヤ教授は、「山の上にあるユニークな形をしたあの場所の岩石や土壌に関する分析結果として『ノアの方舟』伝説の時代、洪水後の数年におよんでこの地域に人類が活動していたことを示す痕跡を発見できた」とイギリスのタブロイド紙『The Daily Mail』や『THE Sun』に対して語っています。そして再度、「これは研究所の結果で明らかになったことです」とカヤ教授は念押しします。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

人間活動があったか? ないか? は、聖書の記述だけで証明できません。ですがドゥルピナー遺跡の地層は、だいぶ前から「方舟が眠っている可能性の高い場所」として、「『ノアの方舟』を見つけたい」と願う人々から広く注目されてきた地です。

このことはメディアを通じて派手に煽(あお)られてもいますが、考古学者たちは長年にわたって「この地層は自然なものであり、難破船が石化したものではない」こと、そして宗教書など(古代オリエントの『シュメールの神話』や古代メソポタミアの文学作品『ギルガメシュ叙事詩』)にも記述されているような地球規模の大洪水は、地質学的記録は存在しないことを一貫して再確認してきました。

「もっと局地的な大洪水はあり得たかもしれない」という説もありますが、それについても議論は重ねて繰り返されています。ですが、宗教的な書物に記述されているような地球規模の大洪水の地質学的記録は存在しないことを一貫して再確認してきました。「もっと局地的な大洪水ならあるあり得た」という説もあるが、それについても再度議論を重ねるべきでしょう。

よって、今回の研究チームも「今のところ『ノアの方舟』そのものが、ドゥルピナー遺跡の地層内にあると断言できませんが…」との前置きも忘れていません。このプロジェクトの研究者の一人であるカヤ教授はトルコの新聞『Hurriyet』に対し、次にように語っています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

「年代測定では、船がここにあったとは言えません。それを明らかにするためには、長い時間をかけて取り組む必要があります。次期にITU(イスタンブール工科大学、アンドリューズ大学、AICUが主導する共同研究を実施することで合意しました。3つの大学は今後も、この分野での研究を続けていく予定です」

研究者チームは2021年に、ドゥルピナー遺跡を含むさまざまな地質学的エリアを探索したことでこの地域にフォーカスすることに。探査を続けた結果、チームはアララト山から岩石と土壌のサンプルを採取し、研究所で分析することになりました。

そして 『Hurriyet』紙によれば、今のところ科学者たちは、地層の中にある「粘土質の物質」「海洋物質」「魚介類」を人間活動の証拠として指摘しています。

研究者チームは2021年、ノアの方舟のような船に似たリモナイトでできたドゥルピナール地層を含むさまざまな地質学的地域を探検することで、この地域に新たな焦点を当てました。さらに探査を進めていくうちに、結果としてチームは国内の最高峰から岩石と土壌のサンプルを採取し、実験室で分析するようになりました。

神、ノア、その家族、ノアに飼われていた動物たち、そして「ノアの方舟」の物語は、何世紀にもわたって多くの議論を巻き起こしてきました。この証拠探しはいましばらくの間、続くでしょう。とは言え、見つかるかどうか? はそのときになってみなければわからないでしょう。

Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

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