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Saturday, January 20, 2024

被告の医師「手伝いたい」 ALS嘱託殺人、検察が証拠のSNS示す - goo.ne.jp

 2019年11月、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)から依頼を受けて殺害したとして、嘱託殺人などの罪に問われた医師、大久保愉一(よしかず)被告(45)の裁判員裁判が17日、京都地裁であった。検察側は証拠提出した、大久保被告と女性とのSNSのやりとりを説明した。

 証拠によると、2人は18年12月からやりとりを開始。その後、大久保被告は女性のツイッター(現X)の安楽死に関する投稿に対し、「訴追されないならお手伝いしたい」と返信した。女性はALS患者と明かしており、「手をさしのべて」「確実に目覚めないように」とメッセージを送ったこともあった。

 女性は当時、京都市内のマンションで暮らし、24時間態勢でヘルパーの介助を受けていた。大久保被告はヘルパーを室外に出せるかを質問。互いのメッセージを消去するよう伝えてもいた。大久保被告は知人の元医師、山本直樹被告(46)=同罪などで有罪判決、控訴中=を名乗り、女性からは130万円を振り込む提案もあったとした。

 一方、無罪を主張する弁護側は、自殺幇助(ほうじょ)をめぐり海外で示された司法判断を説明。15年以降、カナダ、ドイツ、オーストリアで、医師による自殺幇助を禁じるなどした刑法の規定が違憲とされたと紹介した。弁護側は、大久保被告が殺害しなければ、女性は望まぬ生存を強いられることになり、個人の尊重を定めた憲法に違反すると主張。大久保被告を嘱託殺人罪で処罰することはできないと訴えている。

 17日の公判には、女性の主治医も出廷。女性から、チューブで胃に栄養を直接送る「胃ろう」の中止を求められたと説明した。裁判官から安楽死についての自身の考えを問われると、「(安楽死の議論は)社会的に取り組むべきだとは思うが、それは安心して生きられる状況を作ってからで、順番が逆だと思う」と述べた。(光墨祥吾、森下裕介)

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