福岡市で1966年に起きた「マルヨ無線事件」で、強盗殺人や現住建造物等放火の罪で死刑が確定した尾田信夫死刑囚(76)が、福岡地裁に放火の無罪を訴えている第7次再審請求で、福岡地検が証拠五十数点を新たに開示したことが弁護団への取材で分かった。共犯者の自白録音テープなど地検が一度は「存在しない」とした証拠も複数含まれていた。
尾田死刑囚はかつて勤務した電器店で元少年と共に店員2人を殺傷、現金を奪い、ストーブを蹴り倒して放火したとして、70年に死刑が確定した。73年から再審請求を繰り返し、2013年に7度目の再審請求をし、地裁で審理が続いている。執行されない期間は確定死刑囚の中で最も長い。
弁護団によると、地検は地裁の勧告などを受け、21年1月~22年9月に証拠を開示。元少年の録音テープは1966年12月、捜査段階で博多署で録音されたとみられ、事件への関与を認めて「尾田死刑囚がストーブを斜めに倒した」と話しているという。
録音テープを含め、複数の証拠は一度、地検が「不存在」と説明。これらは裁判所に提出されていなかったもので、他に、尾田死刑囚と元少年の調書▽消火活動をした消防士の供述調書▽店でのストーブの使用状況に関する店員の供述書類▽捜査側が行ったストーブの燃焼実験のビデオテープや写真-など。
尾田死刑囚も元少年と近い時期に、捜査段階の供述が録音されたと話しているが、地検は取材に「考えられる限り捜したが、ないと認識している」と話した。弁護団は、尾田死刑囚のテープも存在する可能性が高いとして、証拠開示を求める。
(小川勝也)
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