自民党の薗浦(そのうら)健太郎衆院議員(50)=千葉5区=の関連政治団体が、複数の政治資金パーティーで得た収入を政治資金収支報告書に過少に記載した疑惑で、東京地検特捜部の捜査開始後、薗浦氏が政治団体の会計責任者を務めていた公設第1秘書に、通帳に記載された収支のメモ書きを消去するよう求めた疑いがあることが関係者への取材で判明した。秘書はその際のやり取りを録音していたという。特捜部は録音を入手しており、薗浦氏が秘書に証拠隠滅を指示したとみている模様だ。
また、政治資金規正法違反(不記載)の疑いで捜査している特捜部は13日、薗浦氏から任意で事情を聴いた。秘書は特捜部の聴取に、資金管理団体「新時代政経研究会」と政治団体「そのうら健太郎後援会」の2017~21年分の収支報告書に少なくとも計約4000万円を記載しなかったことを認め、「薗浦議員に収支報告書に載せないことを報告していた」と供述しているとされる。特捜部は、秘書と薗浦氏が共謀関係にあったのか調べを進めるとみられる。
関係者によると、秘書は両団体の口座を管理し、通帳の余白に収入元や支出先を鉛筆でメモ書きしていたという。市民団体から刑事告発を受けた特捜部の捜査が今夏ごろに始まったため、秘書が通帳の扱いを薗浦氏に相談した際、薗浦氏はメモ書きを消すよう要求したとされる。収支報告書の記載内容と通帳のメモ書きに食い違いがあり、薗浦氏がその発覚を避けようとした可能性がある。
秘書が録音したとされるのは、この際のやり取り。秘書は録音とともにメモ書きを消さないまま通帳を特捜部に提出したといい、特捜部は収支の実態を精査しているとみられる。
秘書は特捜部の聴取に「記載しなかった収入は事務所で自由に使うためにプールした」と供述しているとされる。一方、薗浦氏は疑惑が表面化した11月30日、報道陣に事務所の裏金作りや政治資金の不正流用を否定している。【二村祐士朗、井口慎太郎、松尾知典、島袋太輔】
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