2022年11月23日07時14分
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を巡り、宗教法人法に基づき初めて行使された「報告徴収・質問権」。文化庁による今後の調査は、教団の組織的な不法行為を認めた民事訴訟判決の確認作業を軸に進められる見通しだ。解散命令を請求するかどうかは判決の事実関係に加え、悪質性などを示す客観的証拠がどの程度積み上がるかがカギとなる。
「旧統一教会や信者等の行為に関する不法行為責任を認めた判決が多数ある」。永岡桂子文部科学相は11日、権限行使を決めた理由をそう指摘した。
文化庁によると、教団に賠償を命じた判決中、政府が把握するのは22件。うち2件は教団による組織的な不法行為があったと認定された。このため調査では、判決の事実関係などを教団側に確認していく作業が中心となるとみられる。
ただ、岸田文雄首相は国会答弁で、民事訴訟判決について「過去に解散を命令した事例と比較して十分に解散事由として認められるものではない」との見解を示している。文化庁は質問権を通じ、まずは既に提出されている教団の登記や財務諸表などに関し詳細な報告を求め、解散命令請求の対象となる法令違反の有無や「組織性、悪質性、継続性」を満たす行為があったかどうかを確認する方針だ。
実効性が伴う調査ができるかは不透明な点も残る。質問への虚偽回答や無回答には罰則があるものの、「10万円以下の過料」にとどまり、調査自体への強制力はない。教団側とのやりとりは複数回に及ぶ可能性があり、担当者は「拙速にやっても意味がない」と調査が長期間になることも視野に入れる。
文科省は10月以降、調査を担当する文化庁宗務課の態勢を強化。法務省や警察庁、金融庁、国税庁から派遣を受け、8人だった職員を38人に拡充した。担当者は全国霊感商法対策弁護士連絡会とも接触して質問内容などを作成した。
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