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Sunday, June 12, 2022

ロシア、クラスター弾をウクライナで使用か 人権団体が「証拠」報告 - BBCニュース

Distinctive marks from a cluster munition in the roof of a car next to a playground in Kharkiv (Joel Gunter/BBC)

ロシアがウクライナ北東部の都市ハルキウで、広く禁止されているクラスター弾を使い、無差別な砲撃で何百人もの民間人を殺害しているとする調査報告書を、人権団体アムネスティ・インターナショナルが13日、公表した。

クラスター爆弾は、空中で爆発し、たくさんの小型爆弾を広範囲に無差別に落下させる。民間人を危険にさらす可能性があり、議論の的となっている。

小型爆弾は着弾しても爆発しないことが多く、何年にもわたって脅威となる。クラスター爆弾の使用禁止条約には120カ国以上が署名しているが、ロシアとウクライナは署名していない。

アムネスティは報告書で、ロシア軍が9N210型または9N235型のクラスター爆弾と「散布型」兵器を繰り返し使用している証拠をつかんだとした。散布型兵器は、時間差で爆発する小型地雷を飛散させるロケット弾のこと。

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Presentational white space

BBCは、ハルキウの住宅街にある5カ所の爆撃地を訪れ、クラスター弾に特有の、左右対称に破砕されている形跡を確認した。兵器専門家3人に現地の画像を見せたところ、クラスター爆弾が使われた場所の状況と一致すると、全員が話した。

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの武器部門のマーク・ヒズニー上級研究員は、「この衝撃はクラスター弾によるものだ。典型的な特徴だ」と述べた。「画像の1つには(クラスター弾の)子弾の1つについていたスタビライザー(安定化装置)の羽根の残骸が見える」。

BBCが現地住民から提供を受けた監視カメラ映像には、クラスター爆弾に特徴的な、連続爆発が起きた様子が映っている。元英陸軍大佐でケンブリッジ大学の兵器専門家、ヘイミッシュ・デ=ブレトン=ゴードンさんは、「クラスター兵器の子弾によるものだと非常に強くうかがわせる」と語った。

An apparent submunition impact from a cluster bomb in a Kharkiv residential neighbourhood

運動場の3カ所で3回にわたって爆発があったハルキウ市内の住宅地周辺では、クラスター弾による破砕とみられる痕跡が視認できた。

イワン・リトヴィニェンコさん(40)の妻オクサナさん(41)は、この爆撃で重傷を負い、後に死亡した。

リトヴィニェンコさんはBBCに、爆撃があったとき夫妻は5歳の娘と運動場を歩いていたと話した。14歳の息子は集合住宅の中にいたという。

「突然、閃光(せんこう)を目にし、最初の爆発音を聞いた」とリトヴィニェンコさんは言った。「娘をつかんで木に押しつけた。妻は5メートルほど離れたところにいたが、そのまま倒れた」。

An impact site next to where Ivan Litvynyenko's wife was hit by shrapnel. (Joel Gunter/BBC)

オクサナさんの背中、胸、腹部は破片が貫通。肺にも穴が開き、脊椎が損傷した。集中治療室に2カ月入ったが、このけがと糖尿病の合併症で死亡したという。

「手術を数回受けたが、妻の体は生き続けられなかった」と、オクサナさんが亡くなった数時間後に、リトヴィニエンコさんは話した。

リトヴィニェンコさんは、妻が負傷した空爆について、「相次ぐ爆発、たくさんの爆弾が次々と落ちるのを見た」と話した。

集合住宅の自宅内にいた他の2人の住民も、連続した爆発音を聞いたとBBCに述べた。

ダニヤ・ヴォリネツさん(26)は、「爆発が数分間、続いた。外に出ると、複数の車が燃えていた。何もかも燃えているように見えた」と話した。

Oksana Litvynyenko with her daughter. Oksana was badly wounded in April and died on Sunday. (Family handout)

空爆時に住宅棟の前にいたタティアナ・アハイェヴァさん(53)は、「いきなりあちこちで大量の花火の音がした」とアムネスティーに話した。「地面に伏せて、何かに隠れようとして。近所の家の息子、16歳のアルテム・シェヴチェンコはその場で即死した。胸に直径1センチの穴が開いていた。彼の父親は腰骨が砕け、破片が脚に刺さっていた」という。

ハルキウ中心部の病院の医師たちによると、爆撃の犠牲者の腹部、胸部、背中には貫通の傷が見られ、9N210型か9N235型のクラスター弾と一致する金属片が出てきたという。アムネスティは、約700平方メートルの範囲への爆撃で、少なくとも民間人9人が死亡、35人が負傷したとした。

市内の別の集合住宅では、建物の入り口が被弾し、高齢の女性2人が死亡し、1人が両脚を失う重傷を負った。特徴的な破砕の痕跡が、入り口と近くの廊下で見て取れたという。

アムネスティは2週間かけ、ハルキウであった41回の空爆について調べた。その結果、少なくとも62人の市民が死亡、196人が負傷したことがわかったという。また、クラスター弾や無誘導ロケットが、買い物をしている人、食料援助の列に並んでいる人、通りを歩いていただけの人の命を奪った証拠を発見したとした。

アムネスティのドナテラ・ロヴェラ危機対応上級顧問は、「これらの兵器は決して使われるべきではない」と述べた。「ピンポイントで狙う機能はない。ある程度の範囲を対象とする兵器だ。破壊的な威力があり、多くの民間人を死傷させる」。

ロヴェラ上級顧問はまた、これらの兵器の使用について、「意図的に民間人を標的にすることに等しい」と述べた。

「ロシアは、この種の兵器の威力を知らないなどとは言えない」、「これらの兵器を使うという決定は、民間人の暮らしを全く顧みないことを意味する」。

ロシアはウクライナでのクラスター弾の使用を否定しており、ロシア軍について軍事目標しか攻撃していないと主張している。

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