ロシア軍撤退後の惨状「方針変え証拠隠滅の試み」 国際批判かわすためか
墓地に並べられているのは、遺体が納められた袋です。
ロシア軍の撤退後、多くの民間人の遺体が見つかったキーウ近郊のブチャ。警察が、収容した遺体の身元などを調べる作業を行いました。
ボランティア
「頭を撃たれていた人もいました。目隠しされ、両手を縛られたまま撃たれた人もいます」
ウクライナの検事総長の事務所は、ブチャやブチャよりも犠牲者が多い可能性が指摘されているボロディアンカで、「50人の専門家などがロシア軍による戦争犯罪の証拠を集めている」と明らかにしました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ロシア軍が方針を変え、殺害した住民を路上や地下室から動かそうとしているという情報がある。これは証拠隠滅の試みに他ならない」
こうしたなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍が民間人を殺害した事実を隠蔽しようとしていると指摘。「ロシアの指導者が世界の怒りを買うことを恐れているようだ」として、ロシアのプーチン大統領が国際社会からの批判をかわすためだとしています。
また、証拠隠滅の指摘は、ロシア軍の激しい攻撃が続き、こちらも多くの民間人に犠牲が出ているとみられる南東部マリウポリでも。
マリウポリ市議会
「ロシア軍が移動式の火葬施設を稼働させている」
マリウポリ市議会は6日、SNSでこのように述べ、「殺害した市民の遺体を集めて燃やしている」として、ロシア側が証拠の隠滅を図っているとしています。
そのマリウポリを脱出した女性が、過酷な避難生活の実態を語りました。
マリウポリを脱出した イリーナさん
「私たちは孤立したのです。電気と携帯電話の電波がないことに気づきました」
イリーナさんはロシア軍による攻撃開始直後、子ども2人とすぐに教会の地下室に避難しました。数日後には、街が包囲されたことを知り、避難できなくなったといいます。
マリウポリを脱出した イリーナさん
「逃げ込んできた人々は、『市の東側は砲撃され全てが破壊された』と言いました。さらに最悪の事態が起こりました。街の水が消えてしまったのです」
3週間に及んだ地下生活で最も苦しんだのが、水の補給を絶たれたこと。爆撃が続く中、危険をおかして男性たちがわき水を探しに外に出たり、ありったけの皿を皆が手に持ち、雪をかき集めて足しにしたといいます。
マリウポリを脱出した イリーナさん
「最大限の人数で雪を集めようと、ありったけの食器と容器を配って、みんなで雪を集めました」
それでも避難中、けがの手当を受けられず亡くなった男性もいました。
マリウポリを脱出した イリーナさん
「何百人もが行方不明になっています。ロシアに強制送還されたかもしれません。地下で生き延びようとしているかもしれないし、もう死んでいるかもしれません」
アメリカ バイデン大統領
「ロシアへの経済的負担を増やし続け、プーチンの苦痛を増大させ、ロシアの経済的孤立をさらに深める」
こうした中、アメリカがロシアへの新たな経済制裁を発表しました。ロシア最大手の金融機関「ズベルバンク」などが対象で、アメリカ国内の全ての資産を凍結し、アメリカとの取引も一切禁止します。さらに、プーチン大統領の成人した2人の娘などを制裁の対象に加えました。
一方、国連は7日に総会を開き、人権理事会でのロシアの資格を停止する決議案の採決を行います。国連関係者によりますと、決議案の共同提案国は日本を含め、すでに53か国に上っていて、「採択される可能性が高い」としています。
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