KYT鹿児島読売テレビ
4度目の再審請求の審理が進む大崎事件で、弁護団が“最大のヤマ場”と位置付ける弁護側鑑定人への尋問が行われた。弁護団が“強力な新証拠”としていた医学鑑定に鹿児島地裁の反応は。 この事件は今から42年前、義理の弟を殺害したなどの罪で服役した原口アヤ子さん(93)が無実を訴え裁判のやり直し「再審」を求めているもの。現在は4度目となる再審請求の審理が続いている。その中で、弁護団が“最大のヤマ場”とする弁護側・検察側双方の鑑定人への尋問が行われた。 義理の弟は、自宅の中でタオルで首を絞められ殺害されたとする確定判決。これに対し弁護側は、死因を転落事故による「出血性ショック」としている。第3次請求で最高裁は、遺体の情報は解剖写真のみと少なく「大量出血は単なる可能性を指摘したに過ぎない」「死亡時期を示すものではない」と弁護側の主張を退けた。 今回、弁護側の鑑定人として医学鑑定を行ったのが、救命救急医の澤野誠医師。澤野医師は、最高裁が指摘した「死因」と「死亡時期」に着目。解剖写真の中から、腸管から出血している写真を発見した。これまでの法医学者が見逃していた点で、救命救急医だからこそ見つけられたという。 これをもとに澤野医師は、被害者の死因は転落事故による容体の悪化で、腸の中で大量出血が起きたことだと指摘。さらに、転落の際に頚髄を損傷し、事故後現場で死亡したか瀕死の状態に陥った可能性が高いとした。死因を“タオルによる絞殺”とする確定判決に、真っ向から対立するものだ。 この医学鑑定を地裁がどう評価するか注目が集まっていたが、弁護団らによると裁判官から澤野医師に対し、1時間ほどの補充尋問があり、鑑定書の内容を理解した質問が多く積極的な様子が伺えたという。 一方で検察側の鑑定人、産業医科大学の佐藤寛晃教授は尋問で「腸管の大量出血は腐敗に過ぎない。頚髄の損傷についても確実とは言えず、死因になるとは考えられない」といった証言をしたという。 大崎事件弁護団の鴨志田祐美事務局長は「全てに答えを出せた。どこにもほころびがなくすべてに答えがクリアだった」と“最大のヤマ場”を終え、手応えをにじませた。 今月15日で94歳になる原口さん。一刻も早い審理が求められる。
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