稲見萌寧が“記録ラッシュ”で単独首位発進を決めた。この日のバーディは獲りも獲ったり13個。ボギーは2つに抑え、2位の鈴木愛に5打差をつける11アンダーで、今季6勝目に向け独走状態に入った。
スタートの1番パー4。ここで残り143ヤードを、6番アイアンでピン手前1メートルにビタっと止めてバーディを奪うと、そこから止まらない。その後も前半だけで5つのバーディ（2ボギー）をゲット。9番から15番まで7連続で“〇”を並べた。17番で手前5メートルを沈め、これが13個目のバーディに。これまでのツアー記録の11個を2つ上回る、1ラウンド(18ホール)最多バーディを樹立しクラブハウスに戻った。
そんな状況に身を置いたが、ラウンド中はいたってクール。その後の会見でも淡々と一日を振り返る。「安心するというよりはもっと欲を出して、全ホールバーディを獲る気持ちで回りました。（今大会キャディを務める）コーチが冷静。ハイタッチもギリギリしてくれるくらいで（笑）。それもあって冷静でいられました。狙った通りに打てているので驚くことはなかったですね」。12番では右奥7メートル、そして記録に並んだ14番では手前6メートルを沈めるなど、まさに手がつけられない状態。そんななかでも1ホール1ホール、地に足をつけプレーを続けた。
さらに、この日記録した11アンダーは、2012年の「サントリーレディス」でキム・ヒョージュ（韓国、当時アマチュア）が打ち立てたパー72の18ホール最少ストロークタイ記録。19年大会の第2ラウンドで、この年の優勝者・勝みなみが記録した10アンダーのトーナメントコースレコードも更新する、おまけつきだ。
これまでの自己ベスト9アンダーを更新できたことについては「よかった」と話すが、記録については「あまり考えていない」とも言う。新記録がかかっていたという事実をラウンド中は一切知らなかったため、特に意識することもなかった。「きょうのよかった部分、悪かった部分を引きずらないで、あすは新しいゴルフをしたい」。こう話す表情もやはりクールだ。
あすは、ボール・用品契約を結ぶブリヂストンスポーツが主催者の1つに名を連ねる大会での“ホステスV”もかかる。36ホール短縮競技となるなか、超スタートダッシュで大きなアドバンテージは得たが、「何があるかは分からない。前半はいつも通りのゴルフをして、後半に気合を入れたい。バーディが獲れるところでどんどん伸ばせていければ」と油断も一切ない。「自分で（記録を）塗り替えたいですね」。“全ホールバーディを狙う”という気持ちも秘めつつ、明日逃げ切りをはかる。（文・間宮輝憲）
■稲見萌寧の全13バーディ
1番（パー4）：【2】残り143ヤード（6番アイアン）【3】手前1メートル
2番（パー3）：【1】143ヤード（6番アイアン）【2】左奥2メートル
3番（パー4）：【2】残り141ヤード（7番アイアン）【3】奥3メートル
5番（パー4）：【2】残り149ヤード（7番アイアン）【3】奥6メートル
7番（パー4）：【2】残り122ヤード（9番アイアン）【3】手前1.5メートル
9番（パー5）：【3】残り139ヤード（8番アイアン）【4】奥3メートル
10番（パー4）：【2】残り141ヤード（6番アイアン）【3】左奥8メートル
11番（パー4）：【2】残り143ヤード（7番アイアン）【3】奥4メートル
12番（パー3）：【1】105Y（9番アイアン）【2】右奥7メートル
13番（パー5）：【3】残り51ヤード（58度ウェッジ）【4】手前3メートル
14番（パー4）：【2】残り132ヤード（8番アイアン）【3】手前6メートル
15番（パー3）：【1】176ヤード（4番UT）【2】左手前7メートル
17番（パー4）：【2】残り175ヤード（5番アイアン）【3】 手前5メートル
■稲見萌寧が打ち立てた記録（1988年のツアー制度施行後）
【1ラウンド(18H)最多バーディ新記録（13個）】
※これまでの記録は11個
・具玉姫（03年ダイキンオーキッドレディス第2R）
・森田理香子（10年IDC大塚家具レディス第3R）
・☆諸見里しのぶ（05年中京テレビ・ブリヂストンレディス 第1R）
・☆キム・ヒョージュ（12年サントリーレディスオープン第4R）
・蛭田みな美(19年CAT Ladies第3R）
・申ジエ（19年デサントレディース東海クラシック第1R）
【トーナメントコースレコード更新（-11）】
※これまでの記録は勝みなみの「-10」（19年大会第2R）
【パー72での18ホール最少ストロークタイ記録（-11）】
※☆キム・ヒョージュ （12年サントリーレディスオープン第4R）と並ぶタイ記録
【注】☆はアマチュア時代の記録
記事提供：ALBA.Net（GGMグループ）
ALBA.Net関連記事
・稲見萌寧が倉本昌弘、石川遼も超えた！ 男子の最多バーディ記録は？
・“オーガスタ女王”梶谷翼は1打及ばず予選落ち 稲見萌寧のスーパープレー目の当たりにし「自分もこんなゴルフができたら」
からの記事と詳細 ( ニュースなパーゴルフ。ゴルファーの瞬間を満たす「新メディア」｜PAR GOLF PLUS（パーゴルフ プラス） - パーゴルフ )
https://ift.tt/3yyaUmc
No comments:
Post a Comment