「自分たちの責任を全うしようとしている」
現地2月1日のレイカーズvsホークスの試合中にトラブルが起きた。ホークスの本拠地ステイトファーム・アリーナで行われたこの試合の第4クォーター残り8分、プレーが止まった際にレブロン・ジェームズがコート外に向けて言葉を発している。相手はコートサイドの観客。着用を義務付けられているマスクを外し、レブロンに罵声を浴びせていたのだ。ホークスファンと見られるこの女性は係員につまみ出されて試合は再開となり、この時点で86-78とリードしていたレイカーズはペースを乱すことなく、最終スコア107-99で勝利。アウェー7連戦というタフな日程を勝利で締めくくった。
その瞬間は怒ったレブロンだが、係員が駆け付ける様子を見て我に返り、その後は笑顔も見せていた。試合後の会見で騒動について問われると、「ここに観客が戻って来てくれてうれしいよ」と語る。「僕たちプレーヤーには、観客とのああいうやり取りが時には必要なんだ。退席させられるようなことじゃなかったのかもね。何杯か飲んでいたようだし、あのままだと試合進行の妨げになっていたかもしれない。審判はやるべきことをやったんだと思う。彼らが大丈夫だと良いんだけど、でもやっぱり安全が第一だよ」
記者から「君はいつもファンが好きだと言ってるけど、彼女みたいなファンも含む?」と突っ込まれると爆笑し、「僕たちのファンを愛している。レイカーズ・ネイションをね。それ以外のファンにも好感は持っているよ。それがどのチームのファンであろうと、観客席にファンがいてくれるのはうれしい。それは特にこの遠征で感じたことだ」
それでもフランク・ボーゲルは「マスクを外して選手に向かって叫ぶのはダメだ」と断言。アンソニー・デイビスも「新型コロナウイルスが進行中の今、あの行動は許容できない。僕らの安全は担保してもらわないと」と、ファンの退席処分を支持した。
いずれにしても、レブロン・ジェームズは揺らがない。ホークス相手に多少の余力を残しながら21得点7リバウンド9アシスト。これは熱心なホークスファンが(アルコールの力も借りて)罵りたくなるレベルだろう。今シーズンはオフが極端に短く、スケジュールも変則的で選手への負担は大きい。36歳のレブロンは、今シーズンは適時休養を取りながらプレーすると思われたが、ここまで22試合すべてに出場し、例年と変わらぬ存在感を見せている。
「レイカーズ全体として、自分たちの責任を全うしようとしているんだ。毎日検査を受けて、ソーシャルディスタンスを守るためにほとんどの時間をホテルの部屋で過す。リーグが定めたプロトコルは僕たちのしていいこと、してはいけないことを明確に示しているから、それをしっかり守る。コントロールできないことはある。シュートを打ったらエアボールになったり、パスをミスしたりね。でも、プロトコルを守って試合で全力を出すという責任は果たせるはずだ。練習場は多くが閉鎖されているし、多くのアリーナではまだ観客を入れられない。それでも試合はあるわけだから、万全の準備をしてそれに臨み、チームとして向上していくよ」
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