リカルド・トルモ・サーキットでMotoGP第14戦バレンシアGPの決勝レースが行なわれ、ペトロナス・ヤマハSRTのフランコ・モルビデリが今季3勝目を挙げた。また、スズキのジョアン・ミルが7位でフィニッシュし、2020年のライダーズタイトル獲得を決めた。
スターティンググリッドの1列目にはフランコ・モルビデリ（ペトロナス・ヤマハSRT）、ジャック・ミラー（プラマック）、中上貴晶（LCRホンダ）が並んだ。中上はこれで3戦連続のフロントロウスタートであり、今度こその初表彰台が期待された。タイトル獲得に王手をかけているスズキのミルは予選8番手と中盤からのスタートだった。
27周の決勝レースがスタート。PPのモルビデリは良い蹴り出しを見せてそのまま先頭を奪取した。
オープニングラップを終えての並びはモルビデリ、ミラー、ポル・エスパルガロ（KTM）、中上、ミゲル・オリベイラ（テック3・KTM）。ミルは10番手にポジションを落とした。
隊列が落ち着きを見せると、先頭のモルビデリから若干の間隔を空けてミラー、ポル・エスパルガロと続き、中上はそこから若干離される形となった。
先頭のモルビデリは集団の中でも最も速いペースを発揮。徐々に徐々に2番手以下との差を広げつつあった。また中上はオリベイラの追い抜きを許し、5番手に後退してしまった。
6周目、ターン1でヨハン・ザルコ（アビンティア）がクラッシュ。直後を走っていたアレックス・リンス（スズキ）はなんとか巻き込まれずにこれを避けた。
トップ3台はハイペースで淡々と走行。0.5秒ほどの等間隔に並びラップを消化していった。
10周目、ファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハSRT）がターン6で転倒。これで彼はタイトル争いから脱落してしまった。
5番手に落ちていた中上だが、11周目にはオリベイラをオーバーテイクして4番手に浮上。この時点で3番手のポル・エスパルガロとは2秒の差だ。
先頭を走るモルビデリは既に2番手に対し1秒のギャップを確立。ただそれ以上引き離すことができていない状況で周回が進んでいく。
一方4番手の中上はオリベイラを追い抜いた後からペースが向上。3番手のポル・エスパルガロとのギャップを1周ごとに削っていき、残り13周でその差は1秒を切った。
レース後半に入ると、2番手のミラーがペースをアップ。それまで先頭のモルビデリとは1秒以上の差があったが、残り10周となる頃には0.7秒にまで縮まった。また3番手争いでは中上がポル・エスパルガロを捉えようとしていた。
残り9周、中上は完全にポル・エスパルガロを捉え、射程圏内に収めた。そして残り8周、中上は最終コーナーでポル・エスパルガロのインに飛び込みオーバーテイクを試みたが……ここで中上はフロントのグリップを失い、スリップダウンを喫して転倒。表彰台は確実かと思われたが、ここで中上のチャレンジは終わった。
先頭争いではミラーが残り5周でモルビデリをキャッチアップ。しかしモルビデリはミラーに接近されるとペースをアップし始めた。結果、ミラーは再び距離を離されてしまいオーバーテイクをできる距離にまで近づけない状態が続いた。
再びチャージをかけたミラーはラスト2周で首位まで0.3秒ほどにまで接近。ただ追い抜くには至らないままレースはラストラップに突入した。
そのラストラップ、ミラーはオーバーテイクを果敢にチャレンジ。しかしモルビデリがミラーを抑え続け……先頭で最終コーナーを立ち上がってチェッカー。モルビデリが今季3勝目を果たした。2位は最後までアタックを続けたミラー、3位はポル・エスパルガロとなった。
タイトルに王手がかかっていたミルは7位でフィニッシュ。最終戦ポルトガルGPを待たず、2020年シーズンのライダーズタイトル獲得を決めた。ミルのタイトルは史上7番目の若さだ。スズキのライダーがタイトルのを獲得するのは2000年のケニー・ロバーツ・ジュニア以来20年ぶりのこととなる。
またチームタイトルもスズキが獲得。ライダーズタイトルと合わせて2冠達成を決めた。なおコンストラクターに関してはドゥカティと同点の201ポイントとなり、決定は最終戦に持ち越された。
スズキにとって今年は創立100周年、レース活動60周年と節目の年。そういう意味でも、実にメモリアルな”2冠”になったと言えるだろう。
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November 15, 2020 at 09:36PM
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ミルがスズキ100周年に華添える初タイトル。優勝モルビデリ｜MotoGPバレンシア - Motorsport.com 日本版
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