山梨県の富士吉田市立病院に勤務していた歯科医師の大月佳代子さん(62)が、パワーハラスメントと診療拒否を理由とした懲戒免職処分の取り消しを求めた訴訟で処分を取り消す判決が確定してから間もなく3カ月。約3年半に及ぶ対立は最高裁の決定で決着したかに見えたが、大月さんは今も職場に復帰できないでいる。背景には処遇を巡る意見の相違があるという。【山本悟】
「パワハラと診療拒否は現実にあった」「市の内部調査で確認されている」――。堀内茂市長は7月の定例記者会見でそう述べ、最高裁の決定に不満をあらわにした。大月さんへの謝罪について問われると、「謝罪の気持ちは毛頭ない。私の気持ちは今後も変わらない」と語気を強めた。
市が歯科口腔(こうくう)外科に所属していた大月さんの懲戒免職処分を発表したのは2016年11月。診療拒否や看護師らに対するパワハラが理由だった。大月さんは「事実無根」と反論し、同12月に処分の取り消しを求めて甲府地裁に提訴。判決で地裁は大月さんが診療予約に応じなかったケースはあるものの不当な診療拒否とは言えないと認定。さらにパワハラも客観的な証拠がないなどとして処分を取り消した。東京高裁は1審判決を支持し、控訴を棄却。最高裁も20年6月、市の上告を受理しない決定をし、市側の敗訴が確定した。
最高裁の決定を受け、市は大月さんの同科歯科医師としての身分を回復し、復職に向けた面談を大月さんに申し入れた。しかし、これまでの対応に不信感を持つ大月さんは面談には応じず、職場復帰の辞令交付や患者の引き継ぎなどを文書で明示するよう求めた。また、元の業務とは別の業務を担当させることを想定している市に対し、大月さんは「違法な免職処分によって不名誉を負わされた。元の業務に戻すのは当然」と反発している。
両者の主張は平行線
大月さんは13年に同病院に歯科口腔外科が開設された際に採用された。同科は一般的な歯科治療とは異なり、開業医が手に負えない外科的な治療を行う。同科で多くの患者の診療に携わってきた大月さんは「私には患者を診る職責がある」と元の業務での復帰を強く望んでいる。
元の業務での復帰は困難とする市や同病院は二つの理由を挙げる。一つは大月さんが不在の間に歯科口腔外科では、山梨大から派遣された非常勤と常勤の歯科医師2人が働いていること。もう一つは診療態勢の変化だ。同病院はより高度な医療が提供できるよう日本口腔外科学会認定の指導医などを養成する准研修施設の認可を受ける計画を進めており、近く認可される見通しという。松田政徳院長は現在の同科は認可施設としての態勢が整っていると説明。大月さんが学会認定の資格を持っていない点に触れ、「勤務する医師は学会認定の資格を持っているのが望ましい」と指摘する。
そこで松田院長は8月、開業医の紹介患者を対象にした一般歯科診療を行う診察室を同科に新設することを大月さんに提案し勤務を促した。しかし、大月さんは「一般歯科の診療は開業医で十分できる。開業医が(診察室に)紹介してくる患者がいるとは思えない。税金の無駄遣いになる」と話し、両者の主張は平行線をたどっている。
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September 10, 2020 at 06:56AM
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パワハラ「証拠なし」でも復帰できず 懲戒免職取り消しの歯科医 富士吉田市と平行線 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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