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Wednesday, September 9, 2020

広澤克実氏が虎に緊急メッセージ 巨人戦残り11試合は全部勝て!それが虎党のため - スポーツニッポン

<D・神14>4回の攻撃を前に円陣を組む阪神ナインと矢野監督(奥)=撮影・小海途 良幹
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 シーズンは52試合残っている。まだまだタイガースファンの熱意を消してはいけない。これからも、タイガースの野球を見たいと思わせてほしい。

 私が阪神に加入した2000年頃、よく周囲のファンから言われたことがある。“巨人戦に全部、勝ってほしい”と。当時はシーズン135試合制で巨人との直接対決は27試合だったが、“巨人に27勝してくれたらあとは全部、負けてもいい”と、よく聞かされた。

 その巨人との直接対決は残り11試合。今のチーム状況、勢いなどを鑑みても、逆転優勝の可能性というのは非常に低いと言わざるをえない。その今、ファンの思いをくむなら、せめて巨人戦だけでも…だろう。それが多数派か少数派かは分からないが、少なくとも私の周囲にいたファンは、そうだった。どんな順位になろうと、巨人戦には全勝する姿勢を貫いてほしい。その結果でゲーム差接近となったらいい。

 この日の試合でも、近年のチーム課題を象徴するような2球連続暴投が出た。失策数もリーグ・ワーストだ。今年のチーム・スローガンには「笑」の字が入っているが、今のままだとファンに「笑われる」の方になる。ファンを「笑わせる」ためには…舞台が東京ドームだろうが、甲子園だろうが関係なく、気迫を示し、集中力を研ぎ澄まして、残り11試合の巨人戦全勝を目指すことだ。その姿勢を見せられれば、少なくともファンは留飲を下げてくれるはずだ。

 首位独走の巨人も、戦力自体は他の5球団と大同小異。ほぼ変わらない。ただ「小異」がある。巨人の選手たちは“原監督に付いて行けば勝てる”と信じているように思う。私も野村監督の下で、シビアな展開になった時は“野村さんが何かやってくれるだろう”と信じていた。奇策、秘策、采配…監督同士の戦いになれば野村さんが勝ってくれるだろうという思いが根底にあった。その雰囲気を巨人の選手たちからも感じる。それこそが巨人の「強み」とみる。監督同士の手腕の優劣ではなく、そのムードが「強み」になっているということだ。

 求めるのは、その巨人の「強み」を上回る阪神の「意地」だ。阪神ファンは、たとえペナントレースで負けるとしても、“何かやってくれる”ことを望んでいると思うからだ。(本紙評論家)

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