新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で練習もままならないはずが、土性沙羅(東新住建)の表情は暗くなかった。5月12日、ビデオ通話アプリを通じて取材に応じ、肉体改造など1年延期となった東京五輪までのプランを打ち明け、「最高のパフォーマンスを出すための時間をもらえた」と前向きに話した。それは、昨年の世界選手権で金メダル一つに終わったレスリング女子全体の受け止めとも重なる。
拠点とする至学館大は宣言が解除された現在も全体練習は中断したまま。土性は自宅などで体を動かす日々を送る。3月8日のプレーオフを制して、東京五輪代表には内定。その時点では残り5カ月で仕上げる予定だったが、「不安もあった」と明かす。
頂点に立った2016年リオデジャネイロ五輪の後はけがに苦しんだ。脱臼を繰り返した古傷の左肩を18年に手術。翌年は左膝靱帯(じんたい)を損傷した。けがからの完全復活はもちろん、もう一つの大きなテーマが肉体改造だ。
参考にするのは、昨年の世界選手権で最重量級では16年ぶりとなる決勝進出を果たした皆川博恵(クリナップ)。その躍進を支えた国立スポーツ科学センター(JISS=東京都北区)のフィジカルトレーナーから、土性も指導を受ける。緊急事態宣言を受けて中断しているが、状況が落ち着けば東京滞在の時間を増やし、全身の筋力トレーニングや心肺機能を高めるメニューに取り組む。「より強くなって五輪を迎えることができると思う」
日本女子はリオ五輪で4個の金メダルを取ったが、昨年の世界選手権では川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)のみと低迷。西口茂樹・強化本部長は「全体的にフィジカル面の強化は欠かせない」と指摘する。かつては技術で圧倒できたが、海外勢のレベルも上がり、肉体強化が喫緊の課題になっているという。
データ分析も取り入れる。どんな時間帯にどんな形の得失点が多いのかなど、日本代表選手の特徴を数値化。「己を知ることで、それを実戦に生かしていく」。海外勢の攻略法を分析するなどライバル対策も進める。西口強化本部長は「レスリング界では過去、他競技ほどにしっかりデータ分析はできていなかった。1年という時間をうまく使っていきたい」と力を込めた。 (多園尚樹)
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東京五輪の延期が決まって2カ月余り。今夏を見据えていたアスリートたちは、思うようにトレーニングできない状況でも、来年の夏に照準を合わせて前を向こうとしている。不測の事態を追い風に変えることはできるか。現場が描く青写真を紹介する。
<東京五輪レスリング日本代表の現状> 女子は53キロ級の向田真優(ジェイテクト)と57キロ級の川井梨、62キロ級の川井友香子(ジャパンビバレッジ)、68キロ級の土性、76キロ級の皆川の5人が代表に内定。残る50キロ級は世界選手権を2度制した須崎優衣(早大)がアジア予選に挑むことが決まっている。男子はグレコローマン60キロ級で世界王者の文田健一郎(ミキハウス)が、フリースタイルは74キロ級の乙黒圭祐(自衛隊)、65キロ級の乙黒拓斗(山梨学院大)の2階級で代表が決まっている。
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<来夏の青写真>レスリング土性沙羅、肉体改造の1年に:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞
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