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Tuesday, March 31, 2020

地域で語り継ぎ 将来へ備え|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

平成12年の有珠山の噴火から31日で20年。火山のふもとでは、雄大な自然とともに次にいつ噴火災害が起きるのか、危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。有珠山の知識や歴史、災害の記憶を語り継ぎ、防災に役立てていこうと地域で奮闘が続いています。

【被災経験を語り継ぐ】
有珠山のふもと、伊達市にあるコミュニティFM放送局で行われた収録。番組のパーソナリティーを務める荒町美紀さんは、有珠山の噴火の歴史や防災をテーマに毎週、声を届けています。
「こう備えたらいいって言ってたよね、と少しでも心に私の話したことが残り、それが皆さんの助けにでもなればいいなと思って活動をずっと続けていますね」

20年前に噴火した有珠山。荒町さんにとって、火山との向き合い方を真剣に考える大きな出来事だったといいます。
「ここに住んでいました」と案内してくれたのは、洞爺湖町にある桜ヶ丘団地です。団地には泥流が流れ込み、生活の再建に多くの時間が費やされました。建物は「災害遺構」として、当時の姿のまま残されています。
「噴火で亡くなる人はいなかったけれど、これだけの大きな被害が出た。やっぱり怖いんだなと感じてもらえる場所だと思いますね」

荒町さんは、噴火のあと開設された臨時災害放送局で、生活に身近な情報を発信し続けました。その後、記憶の風化を防ぐため、有珠山を訪れた人たちにガイドとして被災した経験を伝えていくと決意しました。噴火の災害から身を守るための知識を学び、6年前にとったのが地域の防災リーダー「火山マイスター」の資格です。
「この先、生きていくために、命はすごく大切だと重みを感じてもらうためには、この場所でそういう事を伝えることを一生懸命やっています」

【噴火の歴史に学ぶ】
噴火の歴史を学ぶことが、将来の被害を最小限に食い止める方法だと考えている火山マイスターもいます。壮瞥町の職員、三松靖志さんです。
3月下旬に訪れていたのは昭和新山。毎年春に開かれる火山の学習会の下見を行いました。三松さんは「火山の付き合いの中で、記録や伝承の積み重ねで生きるすべを先祖が残してくれている」といいます。

大きな存在となっているが祖父の正夫さんです。昭和18年からの火山活動で昭和新山が誕生した経過を丹念に記録したことで知られています。
「自力で全財産をうって山を保護していました。子孫のための生態標本として残す。使命として何のために残したかというと、“伝えるため”なんですね」

三松さんが続けている火山の学習会では、ふだんは立ち入りが規制されている場所にも案内します。幅広い世代に伝える場で、火山の恵みと脅威を伝えようと模索を続けています。

【次も犠牲者を出さない】
次の噴火でも1人の犠牲者も出さない。火山マイスターに共通した思いです。
(三松靖志さん)
「興味を持つことから始めてもらえば、どっかでつながり、生き方や身を守る行動が変わってくる。そういう可能性を広げていくこと伝えたいですね」
(荒町美紀さん)
「自分ごととして捉えてもらいたいなっていうのが最終的にはある。語り部として一生懸命、とにかく伝えて周りの人に情報を伝えて助けていけたらいい」

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March 31, 2020 at 04:38PM
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