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Tuesday, April 2, 2024

大川原化工機冤罪事件 証拠捏造容疑で捜査員ら2人を刑事告発 - 毎日新聞

刑事告発のため警視庁に入る大川原化工機の大川原正明社長(右)と高田剛弁護士=東京・霞が関の警視庁前で2024年4月2日午後2時56分、巽賢司撮影 拡大
刑事告発のため警視庁に入る大川原化工機の大川原正明社長(右)と高田剛弁護士=東京・霞が関の警視庁前で2024年4月2日午後2時56分、巽賢司撮影

 化学機械メーカー「大(おお)川原(かわら)化工機(かこうき)」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部が噴霧乾燥器の温度実験の一部データを削除して証拠を捏造(ねつぞう)したとして、同社側が2日、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、実験の捜査報告書を作成した捜査員ら2人を警視庁捜査2課に刑事告発した。

 軍事転用可能な装置を不正に輸出したとして外為法違反に問われた同社側は、違法な取り調べがあったとして公用文書毀棄(きき)容疑などで3月25日にも刑事告発している。

 毎日新聞は警視庁の内部記録を入手し、公安部が立件に不利な温度実験のデータを一部除外して経済産業省に報告した疑いがあると2月に報じた。同社側は「公安部は立件する上で、目標に達しなかった温度データを故意に削除し、虚偽の報告書を作成した。経産省はこの報告書を前提に装置が規制品に該当すると判断した」としている。

 同社側が起こした国家賠償訴訟の証人尋問で「(除外したデータは)参考で測った」と述べた、報告書を作成した巡査部長と捜査を指揮した警部を今回、告発対象にした。

 同社側代理人の高田剛弁護士は「削除前の実験データのグラフと捜査メモから2人の証言はうそで塗り固められたひどい内容であることが分かった。虚偽の報告書を作成したことは証拠上明らかだ」としている。

 告発状を提出後、同社の大川原正明社長(74)は取材に「捜査に都合の悪い証拠は省くという典型的な例。今後でっち上げ事件を生まないよう警視庁内で捜査してもらいたい」と話した。

 2023年12月の国家賠償訴訟の東京地裁判決では、公安部と東京地検が捜査を尽くさなかったとして、東京都と国に計約1億6200万円の賠償を命じた。双方が控訴している。【遠藤浩二、巽賢司】

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