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Monday, November 13, 2023

老いは「十分生きた証拠」 老年期は自分のために生きよ - 日経ビジネスオンライン

日本が高齢化社会となって久しいですが、その勢いは日々加速し続けています。今や人口の約3人に1人は65歳以上の高齢者といった現状で、将来的にはもっとその率は高くなるとも推計されています。そこで今回は、老いに関する哲学を紹介しながら、高齢化社会を逆手に取るようなビジネスの発想について考えてみましょう。

「老い」を卑下する必要はない

 古代ローマの哲学者キケローは、著書『老年について』の中で、老いに対する世間の誤解を見事に退けています。具体的には「老いは仕事をできなくする」「老いは肉体を弱くする」「老いは快楽を奪い去る」「老いは死に近づく」といった4つの誤解です。

(写真=Miljan Živković/stock.adobe.com)

(写真=Miljan Živković/stock.adobe.com)

 「老いは仕事をできなくする」というのは、体力に任せて仕事をするとか、若者らしい柔軟なアイデアで仕事をするといったように、あくまで若さを前提とした仕事の話です。しかし、経験や長年培った叡知(えいち)を生かす仕事は、むしろ老年のほうが向いています。

 「老いは肉体を弱くする」というのも誤解で、成熟と捉えることも可能です。ちなみにキケローは、声に関しては「老年のほうが落ち着きがあって良い」と言っています。

 「老いは快楽を奪い去る」についても、ほどほどこそが真の快楽であると捉えれば、老年期こそ快楽を楽しめるといえるでしょう。「老いは死に近づく」かどうかは、年齢に関係ありません。若い人だって常に死と隣り合わせなのですから。

 このように考えると、老年期だからといって卑下する必要は全くありません。ただ、若い頃と同じようにしようとするから、哀れな結果になるというだけなのです。

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