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Wednesday, October 25, 2023

11月に先物証拠金の計算方法が変更 - iFOREX

日本の株価指数先物・商品先物の証拠金計算には、長年SPAN方式が使われてきた。しかし11月から新しいVaR方式の計算方法に変わり、それに伴い投資家が現在保有しているポジションの必要証拠金額も大きく変わる可能性がある。

買いと売りで証拠金が変わる

 株の信用取引、FX、先物、そして仮想通貨のレバレッジ取引など多くの金融取引では、証拠金を入れることで手持ちの金額以上の取引ができる仕組みがある。

 証拠金は各取引・商品によって計算方法が違うのだが、株価指数先物や商品先物では長年「SPAN方式」が採用されてきた。これは1988年にアメリカの先物取引所・CME(シカゴマーカンタイル取引所)が開発した証拠金計算方式で、単純化された16通りのシナリオから証拠金を計算する。この方式で計算するために先物の証拠金は「SPAN証拠金」と呼ばれる。

 しかし来月・11月6日から、日本の先物で新しい証拠金計算方式が採用される。新しい計算法はVaR方式と呼ばれ、1250以上の多くのデータから証拠金が計算される。VaR方式の証拠金は株価指数先物、商品先物、そしてオプションと多くの金融商品の計算に適用される。

 VaR方式の証拠金が採用されると、これまでのSPAN証拠金とはいくつか異なる点が出てくる。まずSPAN証拠金では先物の売りと買いで同じ証拠金だったが、VaR方式では株価指数先物において売り・買いで違う証拠金になる場合がある。一方商品先物はこれまでと同じく売り・買いが同じ証拠金。またオプションは基本的に証拠金が発生するのは売りのみで、買いは時価で買うので証拠金はない。

 またSPAN証拠金ではどの限月も同じ証拠金だったが、VaR方式では株価指数先物は限月ごとに証拠金が異なる。商品先物はこれまで通り全ての限月で同じとなる。

 SPAN証拠金は週に1回計算・公表され、公表された証拠金額は翌週から適用される。それに対してVaR方式では株価指数先物の証拠金は毎日計算され、すぐに適用される。計算は日中の市場が終わりナイト・セッションが始まる前の午後4時頃行われるので、直後の4時半からのナイト・セッションから適用される。しかし商品先物の証拠金はこれまで通り毎週1回となる。

 さて、VaR方式になったら証拠金はどのように変わるだろうか?まず現在のSPAN方式における日経225先物の証拠金額を見ると、基準額となるプライス・スキャンレンジは23日からの週で1枚あたり144万円となっている。実際の証拠金は証券会社によって違い、144万円がそのまま使われるところもあるし、1.2倍の1,728,000円である業者もある。日経225のミニ先物は証拠金も10分の1になる。

 そして現在日本証券クリアリング機構のウェブサイトで、VaR方式によって計算された先物の証拠金額が参考として公開されている。それによると日経225先物の2023年12月限の証拠金額は買いが1,814,058円、売りが1,715,624円となっていた。また少し先の2024年3月限は買いが1,818,850円、売りが1,722,333円だった。

 この公表数字の通りになるとすると現在のSPAN証拠金よりやや高く、買いの方が売りより高いことになる。何にしても11月6日から既存ポジション(建て玉)にVaR証拠金が適用されるので、金額が増えてもいいように証拠金には余裕を持つようにしたい。

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