明奈さん(仮名・31歳)はかつて元カレに浮気されて落ち込んでいたところ、古くからの友人である祐介さん(仮名)に励まされ、告白を受けました。「俺は絶対に浮気なんてしない」と誠実なところに惹かれ交際し、やがて結婚。しかし、仕事の接待でゴルフに行っているのかと思いきや、そうでないことに気付き、不倫を疑うように。その後、いったいどんな展開を迎えたのでしょうか。
友人からの密告
「夫が不倫している証拠を掴むために、スマホを盗み見ようともしましたが、ロックを解除することができず失敗に終わりました。モヤモヤとした感情がいつまでも晴れなかったので、私は共通の友人に相談をしてみたんです。すると、“実はある噂を聞いた”と教えてくれました。“職場に親しくしている女性がいるらしい”“言えなくてごめん”と申し訳なさそうに謝られました。夫が職場の女性と不倫をしているかもしれないと知ったものの、相手を特定する手段がありません。そこで、探偵に調査を依頼することにしたんです」
不倫相手の正体
「探偵会社に正式に依頼をしたのち、1週間もしないうちに結果が出たと報告が来ました。結果は、クロでした。報告書には、夫が女性と手をつないでいる写真や、ホテルに入ろうとしている写真がありました。相手はやはり、夫の職場の部下でした。顔が分かる写真を見せてもらうと、見覚えがありました。確か結婚式の2次会に参加していて、紹介されたのを思い出したんです。調査によれば、その時点ですでに関係があったのではないかとのことでした」
職場に匿名でメールを送り…
「再び私は失意の底に沈みました。でも、元カレのときと違ったのは、怒りに満ちていたことです。泣き寝入りはしたくない。なんとか、制裁を下したいと思いました。夫の勤めている会社のメールフォームに、不倫の事実を密告するメールを匿名で送ることにしました。ただ送っても無視されるかもしれないと思い、受け取っていた写真のデータも添付しました。しっかり二人の顔が写り、親しげに手をつないでいる写真です。そしてその夜、夫が職場から帰宅。どんな顔をしているのかと思いきや、なんとも悲愴感の漂う表情をしていました」
地方に飛ばされることになり…
「夫は言いました。“もしかしたら転勤することになるかもしれない”と。“人手が足りないから”と言い、当然メールのことに関しては何も言いませんでした。“まだ決定ではない”と言うものの、その数日後、正式に地方に転勤することが決まりました。そして、引っ越しなどについて話を持ちかけてきたときです。私は、探偵会社から受け取っていた報告書を差し出しました。会社にメールを送ったのは自分だと告げると、夫は愕然とした表情でうなだれていました。私が、“裏切らないって言ったのに”と迫ると、“ごめん”と小さな声で謝りました。
その後、私たちは離婚しました。夫は転勤のため地方に引っ越しをしましたが、夫の不倫相手の女性は退職したそうです。夫も転勤先に不倫での左遷と伝わっているらしく、肩身の狭い思いをしていると聞きます」
“誠実なはずの夫に裏切られた妻の告白”をご紹介しました。信じた相手に裏切られ、心に大きな傷を負ったことでしょう。復讐はしたものの、そこに達成感などはないはず。傷が早く癒えることを願うばかりです。
©Graphs/shimi/PIXTA(ピクスタ)
文・塚田牧夫
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