宗教法人審議会は27日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する文化庁の5回目の「質問権」行使について、内容を了承した。調査は、長期化の様相を呈している。教団への過去4回の質問権行使に基づく調査で入手した資料は乏しく、文化庁が裁判所への解散命令請求の可否判断を行う段階に至っていないと判断しているからだ。ある文化庁幹部は「請求段階の証拠提出で、裁判官の心証が解散命令に傾く程度の『第一印象』を与える必要がある」と打ち明ける。
当初、政府内には教団に対する解散命令に関し、「令和4年中もしくは同年度内に調査を終えて裁判所に請求すべきだ」との声もあった。ただ、昨年11月の質問権初行使以降、教団側から送付される資料は、回を重ねるごとに少なくなった。初回は段ボール8箱分だった回答資料も3月の4回目では封筒1通のみ。解散命令請求の要件とされる教団による違法行為の「組織性、悪質性、継続性」を強く主張できる証拠の積み上げは不十分な状況だ。
法令違反を踏まえた裁判所による宗教法人の解散命令は過去2件。いずれも団体のトップが深く関与した刑事事件が有力な証拠になった。一方、旧統一教会を巡っては現状、組織的な刑事事件は浮上しておらず、教団の違法性を認定した複数の民事裁判などで解散命令の要件を立証するという前例のない手順を踏まざるを得ない。請求が退けられれば今後の宗教行政に大きな禍根を残すことは必至なため、文化庁は慎重な姿勢を保っている。(大泉晋之助)
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