1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年の判決が確定し満期出所した前川彰司さん(57)が10月にも第2次再審請求を名古屋高裁金沢支部に申し立てることが、弁護団などへの取材で判明した。弁護団は四つの新証拠を提出し確定判決の矛盾を立証したい考えだ。
確定判決は、事件直後に血のついた服を着た前川さんを目撃したなどとする複数の知人証言を重視し有罪と結論づける内容だった。弁護側は新証拠として、心理学の専門家2人が知人らの証言内容を2種類の心理学鑑定で分析、内容が真実と仮定した場合に生じる矛盾を突きたい考えという。
また、知人の証言では前川さんが事件後に乗り込んだ車内に血液を付着させたとするものがある一方、車から被害者のものとみられる血液反応が出ておらず、この不合理性を補強する再現実験結果なども提出するという。弁護団の吉村悟弁護士は「DNA型などの客観的な証拠がなく、知人らの供述だけで立件された事件。再審の扉を開けたい」と話している。
確定判決などによると、86年3月19日夜、福井市の市営団地で、高橋智子さんが包丁で刺されるなどして殺害された。前川さんは87年に殺人容疑で逮捕されたが、一貫して関与を否定。1審・福井地裁は90年、知人らの証言は信用性がないとして、無罪を言い渡した。しかし、2審・名古屋高裁金沢支部は95年に懲役7年の実刑判決を言い渡し、97年に最高裁で確定した。
満期出所した前川さんは2004年に再審を請求。名古屋高裁金沢支部は11年「供述の信用性が脆弱(ぜいじゃく)」などとして再審開始を決定したが、13年に名古屋高裁がこれを棄却。14年に最高裁も特別抗告を退けた経緯がある。【国本ようこ】
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