ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍が、首都キエフ周辺などでの軍事作戦を大幅に縮小するとしていることについて、アメリカ国防総省の報道官は、「現時点ではロシア軍が撤退し、事態を沈静化させようとする証拠は見られない」と述べ、依然として脅威が残っているという認識を示しました。
こうした中、ウクライナ側は停戦交渉が4月1日に再開されるとしていて、事態の打開に向けた交渉の動きが焦点となっています。
ウクライナへの侵攻を続けるロシアは、29日のウクライナ側との停戦交渉のあと、首都キエフ周辺と北部のチェルニヒウでの軍事作戦を大幅に縮小し、ウクライナ東部の軍事作戦に重点を置く方針を示しています。
これについて、アメリカ国防総省のカービー報道官は30日、ロシア軍が首都キエフ周辺に展開していた地上部隊のうち、全体の20%弱を再配置し始めたとする分析を明らかにしたうえで、これらの部隊の一部と、北部のチェルニヒウなどに展開していた部隊の一部が、ウクライナと国境を接するベラルーシに移動したとしています。
ただ、カービー報道官は、いずれの部隊も再編成や補給を行ったうえで、ウクライナの別の場所で任務に就く可能性があるという見方を重ねて示し、「現時点ではロシア軍が撤退し、事態を沈静化させようとする証拠は見られない」と述べ、依然として脅威が残っているという認識を示しました。
東部 マリウポリ市長「人道危機一線越える」
30日、NHKのインタビューに応じた東部の要衝マリウポリのボイチェンコ市長は「水、食料、電気、暖房、通信手段がなく、人道危機の一線を越えている。常に市街戦が続いていて、市の中心部の50%がロシア軍に占領されている」などと訴えました。
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こうした中、ロシアとの停戦交渉にあたっているウクライナ代表団のメンバーの1人は、SNSの「テレグラム」への投稿で「4月1日にオンライン形式での交渉を再開する」と明らかにしました。
ロシアとウクライナは29日、停戦交渉を行い、双方、一定の譲歩を示しましたが、具体的な停戦に結びつくかは依然、不透明なままで、事態の打開に向けた交渉の動きが引き続き焦点となっています。
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そのうえで「一刻も早くロシアに侵略をやめさせ、ロシア軍を撤退させるため、国際社会が連携して強い措置をとっていくことが重要だ。今後の状況を踏まえつつ、G7=主要7か国などと連携して適切に取り組んでいきたい」と述べました。
また、ウクライナにいる日本人は29日時点でおよそ50人だとしたうえで「現時点までに生命や身体に被害が及んだという情報には接していない」と述べました。
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