富山市の交番で警察官を刃物で刺して殺害したなどとして、1審で無期懲役の判決を受けた元自衛官の2審の裁判が、11日から始まりました。
名古屋高等裁判所金沢支部は、検察側と被告側双方の証拠請求を認めず、3月に開く次回の裁判で判決を言い渡すことを決めました。
元自衛官の島津慧大被告(25)は、4年前の平成30年6月、富山市の交番で当時警部補だった稲泉健一さん(当時46)を、ナイフで刺して殺害したうえ、奪い取った拳銃で警備員の中村信一さん(当時68)を撃って殺害したとして強盗殺人の罪などに問われ、1審の富山地裁は去年3月、島津被告に無期懲役を言い渡し、検察と被告本人が控訴していました。
11日、名古屋高等裁判所金沢支部で始まった2審の裁判で、検察側は、被告は拳銃を奪う目的で犯行に及んだとして、1審で認められなかった強盗殺人罪が成立すると改めて主張し、死刑が相当だとしました。
一方、被告側は「発達障害の影響で刑事責任能力が著しく低下していた」として被告が心神耗弱だったと主張し、有期刑に軽くするよう求めました。
これに対して森浩史裁判長は、検察側と被告側の双方が、主張にあたって請求した証人尋問や証拠の採用をすべて認めませんでした。
そのうえで、3月24日に開く次回の裁判で判決を言い渡す方針を示し、2審は11日の1回で審理を終えました。
裁判のあと、殺害された警備員の中村信一さんの妻は「被告自身が控訴していたのでみずからの気持ちを法廷で語るべきだと思いましたが、それがなかったので残念でした。まだ結果は出たわけではないのでもう少し待ちたいと思います」と話しました。
また、被害者参加制度を利用した意見陳述の請求が認められなかったことについて、「被害者参加制度を使って意見を述べたかったですが、私たち遺族は法廷に入れるだけで、制度の意味がないと感じました」と話していました。
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