
EUにおいても発揮された危機対策能力
元科学者であり現実主義的なメルケルは、金融危機やユーロ危機、難民危機やパンデミックなどの国際的な危機時にその対策を指揮し、問題を緩和することに優れていた。それゆえに「危機管理に優れていた首相」とドイツ国内では認識されている。一方、経済改革など、求められていた大きな改革を在任中に行わず、ドイツの抱える構造的問題は手付かずのままだったとも批判されている。 独紙「南ドイツ新聞」から、その批判に対するコメントを求められると、「私はそれをまったく別の視点から見ています」とメルケルは反論した。 「たとえば、私は首相として、ヨーロッパにおけるユーロという共通通貨と移動の自由という2つの大きなプロジェクトを継承しましたが、双方とも危機に対応できるようになっていませんでした」 それを、2010年以降のユーロ危機時、「欧州安定メカニズムという救済基金を設置し、銀行同盟を浸透させるという改革をし、EUの礎を維持しました」とメルケルは主張する。 一方、「移動の自由」に関しては、域内で統一された難民政策はまだないものの、「EUの国境・沿岸警備隊であるフロンテックスを設置し、EUとトルコの間で(トルコがEUへの難民流入を食い止める)難民保護に関する重要な協定締結など」を前進の成果として強調した。 メルケルは、2015年のシリア難民危機で難民受け入れを表明し、混乱が生じた。それによって国内外で激しい批判も受けたが、辞任はまったく考えなかったそうだ。 「難民たちは人身売買業者によって組織化され、利用されている」一方、「当時の問題が大きくなったのは、密輸業者の犯罪的なビジネスや、シリアやヨルダンの不安定な状況などにそれまで充分な対応ができていなかったためです。問題は2015年よりずっと前のことに起因すると、私は以前から述べてきました」 放置されていた課題が、危機の発生・悪化要因ともなったが、そうした問題に対応する改革を都度行い、困難を乗り切ってきたということだ。
からの記事と詳細 ( “退任直前”メルケル独首相インタビュー「不安定な時期にEUを離れるのは懸念が残ります」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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