
「きちっと細かいところを埋めてやっていく」
京都サンガF.C.は2021年のJ2において、30試合を終えた時点で、得点48がリーグで4番目に多く、失点は24で最も少ない。得点数の半分が失点数。このバランスの良さは現時点では他のクラブにはなく、昨季で言えば、優勝した徳島ヴォルティスが67得点33失点でほぼ同じだった。 「この話をすると、23時間59分ぐらいたつので、本当はゆっくり話をしたいんですけど」 チョウ・キジェ監督はいつものようにあえて真剣な眼差しでジョークを発して前置きしてから、その意味を話し始めた。 「いまの京都のJ2での得失点については、(把握している数字が正しければ)打たれたシュート数が2番目に少なくて、打ったシュート数も一番多いということです。ほかにも、いわゆるチャンス構築率やどれだけ相手コートに入ったかという数字も高くて、その数字を導き出したくてこの戦術をやっているところがあります。ですから、失点が少ないから、とか、得点が(失点の)ダブルだから、ということがいいわけではありません」 あくまで、求めていくスタイルがあり、それを実現するために戦っているのであって、「得点÷2=失点」の方程式を証明することが目的ではない、ということだ。 ただ、「こういう現象を生み出せるだろうなとは思っていました」と、そこに至る道筋は見えていたという。 「1本のシュートで失点してしまうのがサッカーですし、失点が少ないのは後ろの頑張りもあるし前のチェイシングもあるし、得点が失点の倍も取れるのは後ろの押し上げもあるし、2人、3人で数的優位を作って追い越すこともあるわけです。だから、もしかしたら失点がもっと多くなったかもしれないし、逆に得点が少なくなったかもしれません。でもそこには、目には見えないけれど、紐づいているものがあって、どこでプレーしてるか、とか、どれだけのシュートを打たせなくしたか、とか、あるいはどれだけシュートを打ったか、とか、それもペナルティーエリアの中の際どいところで打てたのか、というほうがその数字につながると思います」 積み上げるための小さなプレーが確かにピッチの中で行われている、という喜びだ。 「失点が少なかったり得点が多いという理由の一つがそういうことなんですけど、きちっと細かいところを埋めてやっていくと、こういった可能性が広がっていくなというのは実感として感じています」 大事なのは数字そのものではなく、数字を生み出すためのアクションだ、という真理。 「失点もしかしたら10点ぐらい多かったかもしれません。ラッキーもあったかもしれないですからね。でもこういったものを生み出したいために、今年の京都の選手をそういうマインドにしたということはありますね」 目標をセッティングして、逆算からチームを組み立てていく。数字そのものにはもしかしたら意味はないかもしれないが、目に見えない細かなプレーが持つ大きな意味は、目に見える数字によってあぶり出されるのかもしれない。 山形に勝って首位に返り咲いた。その果実を手にするまで、あと12試合。 「自分たちの順位が上なのは、順位表を見たときに気持ち悪いわけではありませんが、足かせになって歯車が狂うのはよくあることです。変に引き締める必要はないけれど、勝ち点3を取るだけです」
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