
好感度の高い結婚、低い結婚。一方に人の心を癒やす結婚があった
友人や同僚の結婚を心から喜べない、それを密かに悩んでいる人がいるとの説があり、そもそもそういう人って何割くらいいるのだろうと、いくつかのアンケートを掘り返してみた。どのアンケートからも大体同じような結果が浮かび上がり、心からは喜べないと答える人は、約4割。逆に、どんな場合でも喜べると答えた人は、3割強。残りの3割弱は?といえば、「複雑」とか、「相手による」とか、「寂しい気持ち」とか、明快な答えを避け、言葉を濁した形だが、要は手放しに喜びはしない人たちだ。もちろんケースバイケースだろうが、喜べない人は何だかんだ7割近い。その中には「自分は何と意地が悪いのだろう」と、自分を責めたり嫌いになったりする人もいる。人の結婚を喜ぶのが人間……とくに女性は、それがまるで地球の法則であるかのように喜びの感情を強要されてきた気さえする。でももし本当に7割近い人が心から喜べないというのなら、そもそも法則の方が間違っていたと考えることもできる。厳密に言うならば、人の結婚は“祝福する”もの、心の底からは喜べなくても、祝福はできるはず。笑顔でおめでとうと言えれば、それで充分なのだから。 逆に言えば、幸せを心から願える相手だけが“真実の友”である証。またとくに親しくなくても“天使のような人”の幸せならば、心から願えるのが人間だ。そしてごく稀にだが、ほとんどの人を喜ばせる結婚も存在する。いや厳密に言えば、人々をホッとさせる癒やしのような結婚が存在するのだ。それが異例の話題を集めた「逃げ恥婚」だった、ということ。 まず好感度の良い結婚に共通するのは、打算がない、浮ついていない、思いつき感がない、そして結婚をアピールしない。要するに嘘臭さが一つもないこと。もちろん結婚式や記者会見など不要とは言わないが、概ねひっそり結婚する大物カップルの方が評価は良い。自分たちの結婚に大はしゃぎするカップルはあんまり見たくないし、どういうわけか、結婚式や結婚時のアピールが強烈だったカップルほど、破局や不倫などの結果を招くケースが多いことも、世間はよく知っているのだ。派手な結婚式とその後に訪れる結婚生活のギャップに、あらかじめ気づいていない危険をも。 結婚というものに対して人々は、なぜかとりわけ強い道徳心や正義感を持っていて、自分の結婚は棚に上げても、他人の結婚には非の打ち所のない正しさを問う。長続きする堅実な結婚生活を求めるのだ。だからこそ、まずは二人の人柄が際立って良く、誰からも悪口を言われない、誰の悪口も言わないような人たちでないと、正しい結婚と認めない、まさに意地悪なくらいのシビアさがある。そういう意味で「逃げ恥」カップルは、確かに理想的な堅実さをお互い持ち合わせているように見える。もちろんドラマの筋書きを勝手にダブらせているからに他ならないが、そこへさらに新垣結衣の清潔感と、星野源の才能が加わるから、正しさ印象はさらに強固なものとなってくる。そうなのだ。世間は“派手めの美人”を妻に選ぶ男と、“大金持ちの男”を夫とする女をあまり信用しない。でも、「清潔感」や「才能」が宿った男女には、いかにパーフェクトなビッグカップルであっても、そこに結婚における究極の正しさを見い出してしまうのである。 人は普通、結婚によって少なからずイメージが変わる。誰とどんな結婚をするかに価値観をそっくり露呈してしまうから。まるで家の中まで覗き込まれるように。そういう意味で昨今一番イメージが変わってしまったのが、芸能人でもないのに小泉進次郎。結婚とはつくづく異なもので、見事にお似合いなカップルでさえイメージが激変してしまうのだ。一方、組み合わせはビックリさせられたものの、どちらもイメージアップを果たしたのが蒼井優×山里亮太であり、夏目三久×有吉弘行。まさに男と女は、組み合わせてみないとわからない化学反応によって、それぞれのイメージを塗り替えるようである。ただ今回の、新垣×星野組は、まったくイメージが変わることがなかった。しかも二人の好感度はさらにアップ。そのくらい二人が演じた奇妙な男女関係は、意外にも本気の支持を得て、現実とドラマとが混同しながら、この世の理想になり始めている。奇しくも今、恋愛は面倒だし傷つくのが怖いという人も、結婚だけはきちんとしたいと思っている時代。設定は奇想天外ながら、結果として理想的な形を示したということなのだ。
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