大阪市北区のカラオケパブで経営者の稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、店内の天井に設置され、犯行時の状況を記録していたとみられる「ネットワークカメラ」が、外れた状態で見つかっていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。インターネットに接続し、店内の様子を遠隔地からスマートフォンで確認できるカメラだが、発見時に記録媒体も中になかった。

大阪府警は殺人容疑で逮捕した常連客の機器メンテナンス会社社員宮本浩志容疑者(56=兵庫県西宮市)が、カメラを取り外して証拠隠滅を図ろうとした疑いがあるとみて調べる。

宮本容疑者は「店には行ったが、やっていない」と容疑を否認している。府警は19日午後、宮本容疑者を送検する。

関係者によると、カメラは店の入り口付近に天井からぶら下げる形で設置されていたという。このカメラがあると、経営者などは店を従業員に任せていても店内の様子を離れた場所から確認することができる。

捜査関係者によると、稲田さんは14日、床に血まみれであおむけに倒れた状態で見つかった。死亡推定日時の11日午後に、店が入るビルの防犯カメラに宮本容疑者が出入りする様子が写っていた。他の客や従業員が退店した後、2人きりになった時間に襲った疑いがある。

稲田さんは事件前「しつこい客がいる」と周囲に漏らしていた。府警は宮本容疑者との間にトラブルがあったとの情報を把握。現場で見つかった稲田さんのスマホを解析するなどして関連を調べる。(共同)