すでにB1昇格を決めていた群馬クレインサンダーズがB2優勝を果たした [写真]=B.LEAGUE
茨城との最終決戦制し初の栄冠
2020−21シーズンのB2リーグを制したのは、群馬クレインサンダーズ。茨城ロボッツとの「B2 PLAYOFFS 2020−21」ファイナルを2勝1敗でものにし初優勝を成し遂げた。
優勝へ王手をかけて臨んだGAME2。群馬は相手が後半に敷いてきたゾーンディフェンスを最後まで崩せず3点差で敗れた。しかし、GAME3の大一番では「今日はディフェンスにおいて堅実にプレーしよう」という平岡富士貴ヘッドコーチの指示が実り、第1クォーターから23−11と大きくリード。
守備から主導権を握ると、随所に速攻を繰り出し、茨城のゾーンディフェンスにも落ち着いたパス回しで対応。野﨑零也が高確率で3ポイントシュートを射抜けば、インサイドではジャスティン・キーナンとブライアン・クウェリを中心に得点を重ねた。最終スコア98−75。今季ラストゲームは、攻守の歯車が噛み合っての大勝で締めくくった。
「昨日の敗戦からビデオを何回見たかわからないです。全部のプレーをチェックして、ああでもないこうでもないと自問自答しながらノートにも書いて、食事も喉を通らなかったです。それくらいプレッシャーを感じていましたし、プレッシャーが抜けたのは残り3分切ってからでした」
B2優勝、B1昇格を達成し、重圧から開放された平岡HCは疲労感と安堵感に包まれていた。コート上で行われた優勝インタビューでは声が枯れていたが、記者会見場に現れたときには少し声の調子も戻り、「もう終わったので、たくさんハイボールが飲みたいです」と冗談と本音が混じった言葉も口にした。
大型補強で『前人未踏』のシーズンを邁進
『前人未踏~It’s Show Time~』
振り返れば、チームが掲げたこのスローガンを見事に体現するシーズンであった。
開幕前からマイケル・パーカー、トレイ・ジョーンズらB1経験者を8名獲得する大型補強、その選手一人ひとりの発表を「ゴーゴーサンダーズ」にちなんで早朝の5時53分にすることでも話題をさらい、レギュラーシーズンではリーグトップの攻撃力(平均90.9得点)を武器に新記録となる33連勝と勝率(.912)を達成。ファイナル第2戦で土がついたものの、それまでのホームゲームでは34戦無敗を誇るなど、他を圧倒する強さで今季のB2を席巻した。
もちろん、一戦一戦積み重ねた白星には僅かな差で手にした勝利もあり、決して“タレントが揃っている”という理由だけでは強さの秘密は語れないだろう。今季、指揮官が「チームの心臓」と呼んで信頼を寄せていたパーカーは、群馬の強さをこう語る。
「一人ひとりの強みをチームで理解することはもちろんですけど、自分のスタッツを残すためにプレーするのではなく、自己犠牲を払ってでもチームに貢献しようとする選手がウチには多いです。それが、このようなチームを作りあげた要因じゃないかなと思います」
実績と経験を備えた新戦力が加わったことで、これまでよりも出場機会が減少した選手もいる。パーカーが言ったように、bjリーグ時代から在籍している小淵雅、今季のキャプテン・古牧昌也は自己犠牲を払いながらもチームを支えた選手だ。
小淵は「勝つためにしっかりと力を加えてくれた会社にはすごく感謝しています」と述べ、古牧に対しては「チームの現状を考えれば、キャプテンシーを出すのがすごく難しかったと思います。けど、彼がチームに言わなきゃいけない場面ではしっかりと発言してくれました。キャプテンとしてやらなきゃという部分もたくさんあったと思いますが、あえてそれを我慢した方がチームがうまくいくんじゃないかという考えが彼の中にあったと思います」と労った。
B2王者の称号を背負いB1へ乗り込む群馬クレインサンダーズ。平岡HCが「すごく期待してます」と明かした2人の大卒ルーキーもB1のコートへ立つだろう。千葉ジェッツから期限付き移籍で加入したベテランからは、「残れるのであれば残りたい」という言葉も飛び出した。
来シーズンが、早くも待ち遠しい。
文=小沼克年
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