キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は23日に開催された「オークス」編。 ☆5/23 東京11R G1オークス ユーバーレーベンが感動的なVを飾った一戦。と同時に白毛馬ソダシが敗れた一戦として記憶されるであろうオークス。まずは8着に敗れたソダシの敗因を探ります。まずは1コーナーを過ぎて少し行きたがっていたシーン。道中を12秒台で走る競馬は久しぶり。「もっと行かなくていいの?」と馬が思ってしまうのも仕方ないところです。責められません。何せ、馬は走る距離を知らずに走っていますから。そこに来て外のステラリアに外から上昇され、気持ちが一気に昂ぶり、手綱を引くシーンも見られました。気持ちに動揺が走ったのだと思います。「いつもと何か違う」と思いながら走ったソダシ。ただでさえ、血統的にも2400メートルは長いのに、これではラストで伸びを欠くのも仕方がなかった。これも競馬です。 一方、勝ったユーバーレーベンは自分の競馬に徹しました。現役時は気性が激しかったゴールドシップの子。ミルコ・デムーロは向正面で馬群の外に馬を誘導して気持ちを落ち着かせ、残り1000メートルから徐々にスピードを上げました。レースの流れは関係なく、長く脚を使える血統的長所を生かそうとしました。これは非常に大事。現役時の父もレース自体の流れは関係なく、自分のペースを刻んで勝つか負けるか、という馬でした。ユーバーレーベンは3~4コーナーを外から上昇しました。残り250メートルで先頭。手塚調教師は「先頭に立つのが早い」と感じたそうですが、いったんスピードがついてしまえばなかなか鈍らないのがゴールドシップの特長です。内からアカイトリノムスメが迫ったところで手前を替えてもうひと伸び。オークスを手にしました。 ユーバーレーベンは3着が多く、賞金を積むことができずに苦労しました。出遅れの常習犯であり、なかなか絞れない時期があったと思えば、近走は減りっぱなし。レースでは手前の替え方もスムーズではなかった。それが、この大一番では陣営納得の馬体重となり、スタートも決め、思い通りのスパートから手前もしっかり替えました。大一番に強いタイプなのでしょう。馬を信じて教え込んできた陣営にも拍手です。 アカイトリノムスメが2着。ルメール騎手はソダシの直後でレースを進める、完璧なプランを遂行しましたが、結果的にはそれが裏目。ソダシが伸びないと気付いた残り300メートルからソダシを見切って追い出しましたが、わずかに勝負のタイミングから遅れました。レースを読むのがうまいルメール騎手ですが、この読み違いは仕方ないところでしょう。秋華賞での逆襲を楽しみにしたいと思います。 ??競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。
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