16得点7リバウンド、数字は突出せずとも存在感は健在
足首の捻挫でレブロン・ジェームズが1カ月以上も欠場することになり、レイカーズは8勝12敗と失速しました。アンドレ・ドラモンドの獲得があったものの、アンソニー・デイビスもほとんどの試合を欠場したこともあり、レブロン不在の期間のレイカーズは平均得点が104.9に留まっており、オフェンス力の低下が目立っていました。
ディフェンス優先の選手起用が基本のレイカーズでは、ゲームメークはレブロンに頼る部分が大きく、主役不在ではシュートチャンスを作るのに苦労していました。現地4月30日のキングス戦で、そのレブロンが復帰。どこまで動けるか未知数ではあるものの、レブロンがいるだけで全く違うオフェンスになることが期待されました。
試合序盤はポイントガードとしてパサー役を務めるレブロンは、ゴール下のドラモンドへパスを通し、この試合の初得点をアシストすると、その後もレブロンらしい強いパスでコートを広く使っていきます。チームメートと息が合わず、誰もいないところにパスを出してしまうシーンもあったものの、両サイドまでワイドに使うレイカーズのオフェンスはレブロンの欠場中とは全く違う形になりました。
しかし、デイビスとドラモンドを並べるレイカーズ対策として、キングスもビッグマン2人を並べてきたこともあり、ペイント内でのシュートミスが目立ったレイカーズの得点は伸びません。特にレブロンがベンチに下がるとディフェンスを振り回すようなパスがなくなり、狭すぎるインサイドを攻略しようとしてミスを連発されます。第1クォーターのレイカーズは20得点に届かないスローペースでしたが、終盤に再びレブロンがコートに立つと、残り30秒から4点を奪うことでなんとか得点を23まで伸ばしました。
第2クォーターになるとレイカーズは、レブロンが作った流れに乗るように一気に得点を伸ばし逆転します。それまで苦しんでいたのが嘘のように、パスの連続から気持ち良くシュートを決めていき、レブロンがプレーに絡まなくても見事なオフェンスを展開していきました。自分の力をセーブしながらのゲームメークと、チームが苦しそうになったらギアを上げて簡単に得点を奪う集中力、そしてチーム全体にリズムをもたらす影響力と、『キング』の偉大さを感じさせる前半のレイカーズでした。
レイカーズにとってレブロンの復帰で確認する必要があった要素の一つがドラモンドとの連携です。本来はハイポスト近辺でボールを持ってプレーメークにも絡むのがドラモンドのスタイルですが、それではプレーエリアがレブロンやデイビスと被ります。そのため、試合開始からドラモンドはインサイドでのフィニッシュ担当に徹し、後半になるとレブロンのアリウープパスから豪快なダンクを決め、ポストアップしたデイビスにも逆サイドから合わせて、堅実に連携を構築していきました。
インサイドで得点した一方でレイカーズは3ポイントシュートが決まらず、なかなか突き放せません。ただ、レブロンが欠場していた期間は3ポイントシュートが決まらないと勝てておらず、シュートが不調でも勝ち切るディフェンス主体のチームらしい強みも失われていました。それがレブロン復帰でパスゲームからのインサイドプレーでリードをキープでき、点差は開かないものの危なげない試合運びを展開しました。
ところが、第4クォーターになってレブロンがベンチに下がっている時間帯にまたも得点が止まり、キングスに追い上げられます。トップから両サイドをワイドに使うレブロンがいないと、同じサイドでのショートパスばかりになってしまい、キングスディフェンスにつかまり、残り5分で同点とされてしまいます。
ディアーロン・フォックスとハリソン・バーンズを欠くキングス戦を復帰試合にしたことは、レイカーズ首脳陣がレブロンにそれほど負担を掛けたくない意向があったかもしれません。しかし、勝負どころでレブロンに頼ることになってしまいました。しかし、プルアップの3ポイントシュートこそ決めたレブロンですが、ポストアップからターンオーバーを重ねるなど、ここまでの展開とは異なり、チームメイトの得点を伸ばすことができず、逆にキングスはセンターのリショーン・ホームズへ合わせるパスを連発することで、残り1分で4点のリードを奪いました。
ここでレブロンがドライブを決めると、デイビスのブロックで守り切り、レイカーズは最後のオフェンスを迎えます。逆転を狙ったレブロンは躊躇うことなく3ポイントシュートを狙いますが、これがリングに弾かれ、復帰戦を勝利で飾ることはできませんでした。
16得点7アシストは、レブロンにしては凡庸なスタッツです。それでもコートをワイドに使う攻めの起点として、レイカーズのオフェンスを見違えるように改善しました。ただし、それは第3クォーターまでで、第4クォーターになると18得点しか取れずに失速しました。レブロンのプレータイムが32分と長くなったことに加えて、『レブロンに得点を取らせたい』はずの試合終盤に、デイビスとドラモンドを同時起用したことで、インサイドが窮屈になってしまったことも失速の要因でした。
これで4位ナゲッツとは6ゲーム差となり、プレーオフはホームコートアドバンテージなしで臨むことになりそうです。ドラモンドの補強は戦力アップになった一方で、レブロンとデイビスを中心とした戦い方の中で、起用法が難しくなった面もあります。残り9試合で戦い方をアジャストしていく必要がありそうです。
からの記事と詳細 ( レブロン・ジェームズが戦線復帰、レイカーズのオフェンスを劇的に改善させるも『インサイドは窮屈』で接戦を落とす - バスケットカウント )
https://ift.tt/3vLPDTZ
No comments:
Post a Comment