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Sunday, February 7, 2021

<検証 日野町事件> 付着物、胃の内容物 証拠価値に疑問 - 中日新聞

在りし日の阪原さん=撮影時期、場所とも不明(遺族提供)

在りし日の阪原さん=撮影時期、場所とも不明(遺族提供)

  • 在りし日の阪原さん=撮影時期、場所とも不明(遺族提供)

 裁判のやり直しについて審理が進められている「日野町事件」(一九八四年)など、冤罪(えんざい)が疑われる事件では、一見「科学的」に見えながら、実は信ぴょう性の疑わしい「偽の科学的証拠」が、容疑者の「うその自白」を引き出す役割を果たしていた。専門家は「ジャンクサイエンス(えせ科学)が、冤罪を誘発した例は山のようにある」と警鐘を鳴らしている。 (作山哲平)

■鉄粒「一致」

 一九八八年三月十二日、日野町の酒店店主の女性=当時(69)=を殺害し、金庫を奪ったとして、阪原弘さん=当時(52)、二〇一一年死去=が逮捕された。

 「知人の工員逮捕」と新聞各紙は報道。うち一紙は、経緯を「かなり親しい人物とみて知人関係を中心に捜査」「常連客の阪原が浮かび」「女性の衣服の付着物が阪原の上着と一致したため、十二日朝から任意出頭を求めて追及していた」と報じた。

 女性が失踪した八四年以降、捜査は難航したとの見方も強く、本紙は遺体発見の一年後、八六年一月に「捜査いぜん難航」と報じた。一審判決などによると、県警は八六年夏、女性の服を粘着膜の上に重ねて微物を徹底的に調べ、球状で直径〇・五ミリ以下の溶けた鉄粒を採取。八八年...

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