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Friday, January 29, 2021

光秀のまち 京都・亀岡に誤算…大河ドラマ残り2回 - 読売新聞

 NHK大河ドラマ「麒麟きりんがくる」で知名度アップを狙った京都府亀岡市の計画に、誤算が生じている。主人公・明智光秀ゆかりのまちとして、誘致活動やPR事業に予算を投じてきたが、登場シーンが極めて少ないためだ。放送は残り2回。同市は「本能寺の変」の出陣の地でもあり、関係者は「最後に少しでも」と祈る思いで待つ。(大川哲拓)

 亀岡市は当時、「亀山」と呼ばれ、光秀は1577年頃に亀山城を築城。織田信長から命じられた丹波攻めの拠点としていた。

 光秀は信長を裏切った「謀反人」の印象が強いが、同市では毎年春に「亀岡光秀まつり」が開かれるなど人気が高く、2011年から他自治体と大河ドラマ誘致活動を続けてきた。

 「麒麟がくる」の制作決定翌年の19年、地元経済団体などの寄付金約2800万円を充て、亀山城跡前に光秀の銅像を設置。市は、ドラマの登場人物などを紹介する大河ドラマ館もオープンさせ、多数の観光客を見込んでいた。

 市が最も期待していたのが、本編の後、舞台となった場所などが映像で紹介される「麒麟がくる紀行」だ。大河ドラマ館が設置された自治体は複数回取り上げられることも多い。

 ところが、今まで亀山の露出がごくわずかで、紀行での紹介はない。同様に大河ドラマ館を設置した岐阜市では、光秀の主君だった斎藤道三の稲葉山城などが5回取り上げられており、明暗が分かれている。

 亀岡の名が放送されないため、市の担当者は「ドラマで『亀山』の地名が少し出ても、三重県亀山市の亀山城と誤解する人もいるだろう」と漏らす。

 ドラマ館は京都府立のスタジアムの一角にあり、市と地元商工会議所や観光協会などでつくる実行委員会が運営。昨年度からの2年間で約3億4000万円かかる見通しで、うち約1億円を市が負担。「光秀大河推進課」も設けている。

 予想外だったのはドラマの展開だ。丹波攻めは光秀の大きな武功で、市は本能寺の変にもつながる物語の重要な場面になるとみていた。しかし、ドラマは光秀の前半生が中心で、丹波攻め以降は少なかった。

 コロナ禍も痛手となり、大河ドラマ館は昨春、約40日間休館した。当初の入館者数の目標は50万人だったが、現時点で約9万人と遠く及ばない。

 光秀は1582年、1万3000の軍勢を率いて亀山城を出発。京都の本能寺に向かい、信長を討った。

 2月7日の最終回に本能寺の変の場面が放送される予定だが、NHKは「内容は非公開」としており、それまでに亀山城が登場するかどうかは分からない。仮に登場したとしてもドラマが終了すれば、PR効果は見込めず、市には落胆ムードも広がっている。

 市の幹部は「事前にNHKから亀岡を取り上げるという約束はされていないが、長年誘致活動をしており、『まさか』という思いだ。地元の期待と努力を分かってほしい」と話す。

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