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Friday, December 4, 2020

兵庫の福祉施設虐待 警察への連絡遅れ証拠消去も 専門家「行政がすぐ通報を」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

兵庫県警本部=黒詰拓也撮影

 兵庫県西宮市の障害者支援施設や明石市のサービス付き高齢者住宅(サ高住)で10月、元職員による入所者虐待が相次いで発覚し、県警が元職員の男女を暴行容疑などで逮捕する事件に発展した。一方で、施設の報告が警察に伝わるまで、それぞれ2カ月と3週間を要した。発覚後に一部の証拠が消されたケースもあり、専門家は「暴行や傷害の事実が明確な場合、行政は速やかに警察に通報すべきだ」と指摘する。【春増翔太、中村清雅、中田敦子】

 西宮市の障害者支援施設「西宮すなご医療福祉センター」では7月、元職員の男(32)による複数入所者への虐待があった。市や施設によると、施設は7月11日に入所者のけがを把握し、同20日に市に報告したという。

 市は8月4日には、男が入所者10人を蹴り、顔を床に打ち付けたりしていた虐待の全容を把握したが、県警に相談したのは1カ月半後の9月9日だった。「施設側の自主的な告発を促し、それを待った」(市法人指導課)という。

 これに対し、元厚生労働省虐待防止専門官の曽根直樹・日本社会事業大専門職大学院准教授は「刑法に触れるような事実が確認できた時点で、市はすぐに警察へ届け出るべきだった」と指摘する。

 虐待発覚時の対応について、障害者虐待防止法と厚労省が作成した「手引き」が施設に課すのは自治体への報告のみだ。自治体には「警察への届け出、告発」など「関係機関との速やかな連携」を求めている。曽根准教授は「手引きに基づけば施設は義務を果たしている。加害者側でもあり、率先して警察に届けにくいわけで、そこは行政の役割」と話す。

「関係機関との共有が抑止に必要」

 一方、明石市のサ高住「シルバーハウスはやしの南」では9月21日に元職員の女(57)が男性入所者を蹴り、たたいていた。施設は2日後に市に報告。施設側が当初カメラ画像の存在を隠したこともあり、市は「明確な虐待の事実が確認できなかった」として、施設に県警への届け出を求めたのは認知から3週間後の10月14日だった。

 同20日に県警は女を暴行容疑で逮捕して施設を家宅捜索したが、既に防犯カメラ画像のデータは消去されていたという。県警の捜査幹部は「一般的に時間がたつほど人の記憶は薄れるし、防犯カメラの画像など物的証拠も消えていく。事件捜査は早いほどいいのは間違いない」と話す。これらの虐待事件についても「もっと早く捜査できれば、暴行によるけがの証拠を見つけて傷害容疑で立件し、余罪を把握できた可能性はあった」とみる。

 警察への相談に時間がかかったことについて、両市は詳細把握に時間を要したことや、被害者家族の意向をくむ施設側の事情を理由に挙げた。ただ、曽根准教授は「被害者目線で考えることが大事。誰でも殴られれば警察に届けるし、何かの事情でそれが後回しにされれば納得できないでしょう」と指摘。「早く事実を明らかにして、関係機関と共有することは抑止のためにも必要」と話している。

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December 05, 2020 at 09:24AM
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