米大統領選は投票日まで残り2週間を切った。論戦は低調なまま混迷だけが深まっている。この間、私たちが目にしたのは米社会が抱える深刻な国民の分断と対立であり、それを引き起こす政治の劣化である。
共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領は22日(現地時間)最後の討論会に臨む。前回は中傷合戦に陥り政策論争に至らなかった。今度こそ分断を超えた将来像を示し、建設的な論争にしてほしい。
米国にとって喫緊の課題は新型コロナウイルス対応だ。感染者数、死亡者数ともに世界の2割に及ぶ最悪の状況から抜け出していない。さらにトランプ氏自身が感染し、ホワイトハウスで集団感染が起こるなど危機管理の甘さも露呈した。
本来、自ら範を示し、難局を乗り越えようと国民に結束を呼び掛けるのが指導者のあるべき姿だろう。だがトランプ氏は不手際を反省するどころか「コロナを克服した強い大統領」を演出し、国民の分断に拍車を掛ける言動を強めている。
早々と退院し、支援者が密集する大規模集会を断行した。感染予防のマスク着用を軽視するばかりか、政権のコロナ対策を担う専門家まで攻撃し、自分の正当性を強弁している。
支持者固めに焦り、必死なのかもしれない。コロナ禍の収束が見通せない中、科学の知見をないがしろにする姿勢は、思惑とは逆にバイデン氏にリードを広げられる結果を招いている。
加えて看過できないのは、意に沿わぬ相手を暴力で封じ込める風潮を容認するかのような態度だ。厳しいコロナ対策を取る民主党のミシガン州知事に対し支援者集会で起きた「(知事を)投獄しろ」という大合唱をあおった。民主主義国家の指導者として決して許されまい。
もう一つ気がかりなのは開票後の混乱である。トランプ氏はコロナ警戒で大幅に増える郵便投票を「不正の温床」と問題視している。民主党支持層が多く利用するためで、選挙に敗れても法廷闘争に持ち込む構えだ。連邦最高裁人事で保守派判事の就任を急ぐのもそれを見越した戦略とみられている。
選挙制度は民主主義の土台である。それを形骸化させるようなことになれば、自由と民主主義という理念を共有する国々にとっては受け入れ難い。米大統領は国際社会に多大な影響を及ぼす存在でもある。
自国第一主義のトランプ氏に対し、バイデン氏は国際協調への回帰を訴えている。トランプ氏が壊した秩序をどう立て直すのか。同盟国との関係やアジア外交をどう描くのか。そうした点も討論会で語ってほしい。
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October 22, 2020 at 08:43AM
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混迷の大統領選 分断を超える将来像示せ - 西日本新聞
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