2020年09月13日07時24分
NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使って預金が不正に引き出された問題で、ドコモ側が今回と同様の手口による被害が昨年発生していたことを把握しながら、提携する銀行への通知を徹底していなかったことが12日、分かった。複数の地方銀行は知らされていなかったと話しており、ドコモ側の対応に不信感を募らせている。
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ドコモ口座では、預金口座を登録することで買い物の決済や送金が行える。ドコモは35銀行と提携している。今回の被害は、口座番号や暗証番号による比較的簡便な認証方法で銀行口座とドコモ口座を連携させていた地銀を中心に、今年8月以降に集中して発生した。
ドコモは被害発覚後に初めて開いた今月10日の記者会見で、昨年5月にドコモ口座へのチャージ(入金)機能を使ってりそな銀行と埼玉りそな銀行の口座から預金が不正に引き出されていたと公表した。
これに関し、複数の地銀関係者は「(りそなの件は)会見で初めて知った」、「会見後に行内で確認したが、ドコモから説明を受けた記録はない」と指摘している。ドコモは、時事通信の取材に対し「担当者レベルでは一部銀行に注意喚起したが、全ての銀行には行っていない」(広報)と説明した。
りそな、埼玉りそな両行は昨年の被害発生後にドコモ口座への新規登録を停止した。ある地銀関係者は「説明を受けていれば、少なくともりそながどのような対応をしたのか、経緯は調べていた。ドコモ側は(銀行側が)契約を考え直すような情報は言いたがらなかったのではないか」と話している。
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