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Sunday, August 23, 2020

社説 コロナ禍の大学 対面の機会広げる工夫を - 信濃毎日新聞

 学ぶ意欲が保てるのか、悩み続ける大学生は多いだろう。

 この数カ月間、新型コロナの影響で構内の立ち入りが制限され、オンラインによる遠隔授業を受けざるを得なかった。

 学生は教員と直接やりとりしながら知識を広げ、探求心を養う。技能を吸収し、より高みを目指す。その機会が失われかねない。

 学生が教室に密集すればクラスター(感染者集団)発生を招く恐れがある。それを警戒する余り、一律的な対応が続いてきた。

 少人数のゼミに限らず、グループ分けなどで一堂に集まる人数を絞る方法は可能なはずだ。大学側には感染防止に細心の注意を払いつつ、対面指導の場をできるだけ確保する工夫を求める。

 立命館大の学生新聞が行ったアンケートで、秋学期以降の退学を考えていると答えた学生が1割近くいた。休学を検討している学生は約4分の1に上った。

 回答者は1年生が比較的多い。退学や休学を検討している学生には対面授業を希望する声が大きかったという。入ったものの学ぶ意義が見いだせずに孤立する学生が少なくない実態が浮かぶ。

 首都圏では、秋学期から遠隔と対面の併用に向け具体的な方法を検討している大学が目立つ。

 遠隔には学生が教員と話す場面が増えた点を効果とみる声もある。一方で学生同士の意見交換が深まらない欠点も浮かんでいる。

 実験や実技を伴う理工系や芸術系は直接指導が欠かせない。

 東京芸術大の学生団体は先月、記者会見し、指導が直接受けられる前提で入学したのにかなわず、設備も使えない苦境を訴えた。

 専門を学ぶべき時期に学べない不安は大きい。大学側は学生の声に真剣に耳を傾けてほしい。

 他校を含む芸術系学生約300人へのアンケートでは、遠隔授業に不満な人が約7割もいた。

 文部科学省によると、全国の大学、短大、高専で対面授業を全面的に再開したのは7月1日時点で2割弱。残りのうち8月までに再開するか、9月以降に予定する所は合わせて約3割だった。

 萩生田光一文科相は、本年度末まで遠隔続行を決めてしまうのは「乱暴だ」と指摘。対面との併用を促している。一方、休学を検討する学生が求める学費減免の支援には「各大学の判断」とする。

 国には高等教育を支える責務がある。学びの保障と併せ、アルバイト収入が得られず困窮する学生に対する必要な支援も、大学側と共に考えていくべきだ。

(8月24日)

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