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Monday, July 27, 2020

【第67回産経児童出版文化賞】佳子さまお言葉「魅力あふれる作品 くらしの彩りに」 - 産経ニュース

 第67回産経児童出版文化賞に際し、秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが文書で寄せられたお言葉は以下の通り。  

 「第67回産経児童出版文化賞」の各賞を受賞された方々に、心からお祝いを申し上げます。そして、これまで児童出版の分野で力を尽くしてこられた皆さまに、深く敬意を表します。

 好きな本に没頭すること、本を読んで新しい世界を知ることなど、読書には様々な楽しみがあると思います。誰かと一緒に本を読んで、思い出に残るひとときを過ごすこともあるかもしれません。

 「産経児童出版文化賞」は、幅広い分野から魅力的な本を選び、子どもたちに紹介する大事な役割をはたしてきました。今年は、4236冊の対象作の中から8冊が選ばれました。

 大賞の『徳治郎とボク』は、作者の実体験をもとにして書かれた物語です。「ボク」と祖父の徳治郎は、様々な時間を共に過ごしました。徳治郎の子ども時代についての会話や二人でした畑仕事、そして、徳治郎の老いと死を家族の思いとともに受け止めた経験を通して、「ボク」が成長していきます。多様な登場人物の心の動きと、それを4歳から中学1年生までの「ボク」がその時々の目線で見つめる姿が印象に残りました。

 『きつねの橋』は、作者が『今昔物語』から着想を得た平安時代のお話で、実在の人物も登場します。貴族のもとで働く若者が、人に化けるきつねや仲間と力を合わせ、姫君を助けたり、盗賊と戦ったりします。はらはらしながら読み続け、最後はやさしい気持ちになりました。

 『なっちゃんのなつ』は、夏の風景や風習を力強く描いた作品です。茂る夏草やそこに出てくる生き物、なっちゃんと祖母の姿から、命の営みが伝わってくるような気がしました。なつかしい夏の記憶が呼び起こされ、思い出話をしたくなる人も多いのではないでしょうか。

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