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Friday, July 17, 2020

電事連・池辺会長定例会見 石炭火力の肩代わりは? 10年内休廃止「原子力も議論俎上に」 - 産経ニュース

記者会見する電気事業連合会の池辺和弘会長(前列右)=東京都千代田区
記者会見する電気事業連合会の池辺和弘会長(前列右)=東京都千代田区

 政府が表明した非効率な石炭火力発電所を2030(令和12)年度までに原則休廃止する方針は、電力各社にとって難題だ。脱落が見込まれる石炭火力を代替する電源について、10年以内にめどをつける必要に迫られるからだ。原子力発電所の再稼働審査の迅速化や増設論議にも踏み込まないと、とても肩代わりできないとの声も上がる。3月に電気事業連合会(電事連)会長に就いた九州電力の池辺和弘社長にとって、早くも手腕が問われる局面だ。(九州総局 中村雅和)

 「石炭火力は安定供給に貢献し、大きな役割を担っている。ルールを決めてこれでやる、ではなく、いつまでなら(フェードアウト)できるか、地域の特性を踏まえながら、制度設計に協力したい」

 17日、都内で電事連会長としての定例記者会見に臨んだ池辺氏は、石炭火力をめぐるる政府の方針について、こう語った。

 方針では、国内の火力発電の9割弱が休廃止対象になり得る。平成30年7月に閣議決定した第5次エネルギー基本計画(エネ基)でも、非効率な発電所のフェードアウトは織り込まれていた。ただ、政府が改めて「2030年に向けて」と打ち出し、本気度を見せつけた意味は大きい。原則通り適用されれば、発電量ベースで石炭が5割(平成30年度実績)を占める北海道電力や北陸電力を中心に、電源構成を大きく変える必要が生じる。

 他の電力各社でも、収益基盤をむしばむ可能性がある。最新鋭の超々臨界圧方式を除く多くの石炭火力発電所はすでに減価償却を終え、低廉な資源価格も相まって利益の源泉になるものだった。それが残り10年で退場を迫られかねない。

 池辺氏は「電力の安定供給に大きな役割を担う各地域の電気事業者の経営に影響がでるような制度ではいけない。綿密な分析を実務者と相談しながら進めてもらいたい」と強調する。

 確かに、地球温暖化問題を背景とした世界的な石炭火力に対する逆風は、弱まることはないだろう。ただ、天候などに左右される太陽光などの再生可能エネルギーで石炭火力の脱落分すべてを肩代わりするのは荷が重い。

 再エネの発電量の不安定さを解消できる可能性がある技術はコスト面などで課題は多く、原発の活用促進を並行させていくことが重要になる。今月1日に開かれた資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会でも「(原発は)脱炭素の中で非常に重要」との指摘が相次いだ。

 エネ基では、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年度の全電源に占める原発比率を20~22%とした。とはいえ、東京電力福島第1原発事故後に再稼働を果たしたのは、加圧水型軽水炉(PWR)を運用する関西、四国、九州の3社だけで、現時点で原発比率も6%程度と、計画にはほど遠い。

 同じPWRでも、北海道電力は活断層問題などから審査が難航する。さらに福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)は再稼働時期が見通せない。石炭火力をフェードアウトさせる以上は、既存原発の積極的な活用は避けられない。

 エネ庁の分科会では同時に、原発について「リプレース(建て替え)、核燃料サイクルを含めて正面から行う必要がある」との指摘もあった。

 原子炉等規制法では原発は原則40年、最大60年運転可能だ。ただ、昭和40~50年代に設計・建設された原発よりも、最新型原発の方が当然、出力や操作性で優れている。原発の建て替えや増設議論をタブー視するべきではない。

 この日の会見で、池辺氏は「エネルギーの選択肢はとっておき、世の中の進展にあわせるのが正しいと思う。原子力についても議論の俎上に上ることは非常に望ましいことだと思っている」と語った。

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