2019年7月の参院選を巡る公職選挙法違反事件で、前法相の河井克行容疑者（57）が今年1月の検察当局による家宅捜索の前に、現金の配布先などを記したリストのデータを専門業者に依頼して削除した疑いがあることが22日、関係者の話で分かった。
東京地検特捜部は克行前法相が証拠隠滅を図った可能性があるとみて調べている。
克行前法相が特捜部の取り調べに地元議員らへの現金提供の一部を認める一方、現金が票のとりまとめを依頼する趣旨ではなかったと容疑を否認していることも判明した。妻で参院議員の案里容疑者（46）も「違法な行為をしたことはない」と容疑を否認しているという。
昨年10月末に週刊誌が案里議員の陣営が車上運動員に違法報酬を支払った疑惑を報道した。関係者によると、克行前法相は疑惑発覚後、リストを管理していた事務所のパソコン内のデータについて、専門業者に削除するよう依頼したという。
検察当局は今年1月以降、違法報酬事件の関係先として克行前法相の事務所などを家宅捜索し、克行前法相のパソコンを押収した。その後、デジタルフォレンジック（電子鑑識）の技術を活用し、約100人に2500万円超を配布したとされる複数のリストのデータを復元した。
参院選の陣営内では対話アプリ「LINE」を使ってやり取りがされていたが、克行前法相がその一部などを削除していた形跡があることも分かった。特捜部は一連のデータ削除について、克行前法相が証拠隠滅を図った可能性があるとみている。
克行前法相は19年3～8月、票のとりまとめなどを依頼する趣旨で地元議員ら94人に約2570万円を渡した疑いが持たれている。案里議員はこのうち計170万円について克行前法相と共謀した疑いがある。
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June 22, 2020 at 03:17PM
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買収リスト削除依頼か 河井前法相、証拠隠滅図る？ - 日本経済新聞
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