トランプ米大統領が、「新型コロナウイルスが中国武漢のウイルス研究所から広がったという証拠を見た」と主張し、中国に対する関税を検討していることを明らかにした。トランプ氏が再選に向けて強力で具体的な刀を抜いたとみえる。今年1月、第1段階の貿易合意によって辛うじて出口を見出した両国の貿易戦争が再び全面戦争に拡大することも排除できない。
トランプ氏は先月30日(現地時間)、ホワイトハウスでの記者会見で、「武漢研究所が発生源だという証拠を見たのか」と取材陣に問われ、「そうだ、見た」と2度繰り返して答えた。そして、「中国が感染拡大を防ぐことができなかったか、拡大を放置した」としながらも、具体的な証拠は明らかにしなかった。トランプ氏は調査中だとし、「遠からず答えを得るだろう。その結果が中国に対してどのように感じるかを決めるだろう」と述べた。
トランプ氏は、「中国への報復のために債務返済の中止を検討しているか」と問われると、「そうできるが、関税を課すことでより多くの金を得る」と話した。
米紙ワシントン・ポストは、米国が中国に対して「主権国は他国の法廷の被告になれない」という国際法の「主権免除」条項を剥奪することを議論していると伝えた。中国を米国の法廷に立たせて損害賠償を受け取るということだ。CNNも、米国は経済制裁、債務返済の拒否、新たな貿易政策を検討していると報じた。
米国の17の情報機関を掌握する国家情報長官(DNI)は同日、「情報機関は、コロナウイルスは人が作ったり遺伝的に変形したものではないという科学的合意に同意する。発病が武漢の研究所の事故の結果なのか、感染した動物との接触で始まったのか判断するために調査する」と声明を出した。事実上、「武漢起源説」を支持したという観測が流れている。
数回「ワクチン開発に少なくとも18ヵ月かかる」と言及した国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、「来年1月までに数億個のワクチン供給が可能だろう」と態度を変えた。大統領選挙と無関係でないとみられている。米紙ニューヨーク・タイムズは、「ファウチ氏に不満を持つ大統領が、アレックス・アザー保健福祉長官に年内の開発を指示した。ワクチンが病気や死亡を引き起こしても責任を問わないとして開発を早めるだろう」と伝えた。
トランプ政権の総攻勢は、新型コロナウイルスにともなう人命被害や経済低迷の長期化が11月の大統領選に悪影響を及ぼすと懸念されるためとみえる。反対派の矛先を中国に向け、支持層を結集させるために中国を攻撃しているということだ。トランプ氏は先月29日、「中国が私の勝利を阻止するために何でもするだろう」と主張した。
中国は激しく反発した。中国国防省の呉謙報道官は先月30日、記者会見で、「米政治家が責任を回避して中国を非難することは利己的で無責任だ」と主張した。前日、楽玉成外務次官もNBCとのインタビューで、「中国に根拠のない疑いをかけるな。中国に賠償金を要求する法的根拠がないのにとんでもない主張をする」とし、「荒唐無稽な政治的笑い話」と一蹴した。
朴湧 parky@donga.com · 尹完準 zeitung@donga.com
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May 02, 2020 at 07:58AM
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トランプ氏「新型コロナ、中国起源の証拠を見た」、報復関税を示唆 - 東亜日報
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