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Monday, April 6, 2020

新型コロナ:郵便物はどう扱うべきか? 配達側も対策 - NewSphere

 キャシー・ペイン氏には日課となっていることがある。それは配達前に郵便物が入ったトレイを念入りに拭くことだ。そして、手袋を着用して手紙や小包の仕分けを行い、配達車両に乗り込む際には新しい手袋を用意する。

 郵便受けへの配達は朝から丸一日続き、新型コロナウイルス対策になればと、しきりにハンドルを拭く。

 封筒が「どこから送られてきたのか、これまでに誰が触ったのか、私たちにはわかりません。わからないということが恐ろしいのです」と、ペイン氏は話す。

 テネシー州ロックウッドで郵便配達員として30年間働いてきたペイン氏もほかの同業者同様、新型ウイルスの感染から自分を守ることに挑んでいる。小包の受け取りサインを省略する、またはドアベルを鳴らす代わりにドアをノックする、などの取り組みがある。

 COVID-19を引き起こすウイルスが封筒や小包の表面に残り、それを取り扱った人に感染する可能性は非常に低いと保健専門家は指摘する。また一方で、配達物を触った後に顔を触ることは避け、手洗いを行うよう呼びかけている。アメリカ国民がウイルス拡散のリスクを減らすために自宅に留まるなか、配達物への安全性はより重要視されている。

 チャタヌーガから北へ113キロメートルほどの町で、ペイン氏は毎日800軒を超える家へ郵便物の配達を行っている。郵便局はドアノブを頻繁に拭いており、配達員には十分な量の手袋が支給されているという。しかし、「私たちにとって最大の問題は、郵便局は手指用消毒ジェルを確保できておらず、支給がないことです」と同氏は述べる。

 この状況のなか、同僚の1人は自らスーパーマーケット「ウォルマート」へ行き、消毒用ウェットティッシュ12缶を買い込んだ。郵便公社から消毒剤が十分に支給されないため、ペイン氏は除菌スプレーを持参し、手が触れる場所に使用している。

 新型ウイルスは段ボール上に最大で1日間残存可能であることが、アメリカ政府に所属する科学者によって実証された。しかし、一定の条件下に置かれた研究室内での試験であるため、日常生活で実際に起きることが反映されていないこと、また、封筒などほかの素材についての検証も必要であることが、ジュリー・フィッシャー氏によって指摘されている。同氏は、ジョージタウン大学グローバルヘルス・セキュリティ研究センターにて微生物研究を行っている。

 現実の世界では、小包や封筒はあらゆる気候条件にさらされ、ウイルスの残存時間はそれに左右されると同氏は話す。郵便物にウイルスが付着していたとしても、口や鼻へと進入しなければウイルスに感染することはないだろう。

「郵便物を開封した後は必ず十分に手洗いをし、鼻や口に触れないのであれば…… 郵便物自体や小包からの感染リスクは非常に低いです。ただし、郵便局職員にはリスクが伴います。職員同士、また一般の人々との接触があるためです。やはり、感染者との接触が最大のリスクとなります」と、フィッシャー氏は述べる。

 新型コロナウイルスによる症状は、2、3週間以内に治まる発熱や咳といった軽度から中等度のものが大半である。一方で、とくに高齢者や基礎疾患を持つ一部の人にとっては、肺炎の発症や死亡を含め、重症化する可能性もある。

 アメリカ郵便公社は郵便局の営業を続けているが、顧客には2メートル以上の間隔を保つこと、そして、パスポート申請には事前に予約することを義務づけている。郵便物を通じてCOVID-19が拡散されている兆候はないものの、公衆衛生の専門家による指導に従っていると当局は話す。

 物流最大手のフェデックスとユナイテッド・パーセル・サービスは、荷物受け取り時のサインを省略することに決めた。

 全米郵便配達業者協会は会員企業に対し、ドアベルを鳴らす代わりに、ほかに誰かが触っていそうな場所を避けてドアをノックすること、そして、社会的距離を取ることを助言している。

 3月25日に配布された会報では、現時点で51人の郵便局職員にCOVID-19の陽性反応が出ており、約2,000人が隔離対象となっていることがフレデリック・ローランド会長より報告された。ニューヨーク出身の配達員(50)は新型ウイルスに関連する合併症で死亡したが、勤務中の感染であったかどうかについては明確ではない。

 甚大な被害を受けているイタリアでは、顧客と対面する必要のある郵便業務は控えられているものの、全土でのロックダウン中も郵便物の配達は継続されている。顧客や従業員の間にウイルスが広がるリスクを減らすため、営業時間の短縮や一時的な休業を決めた郵便局も多い。

 アリゾナ州の州都フェニックスに住む女性は、郵便配達員をとても心配している。「配達ありがとうございます」のメモを添え、ビニール手袋とマスクの入った袋を郵便受けに貼り付けた。

 B. ジェファーソン・ボレンダー氏は、配達員が手袋だけでなく、帽子とサングラスを着用し、大きなバンダナで顔を覆っている姿を見たという。

「配達員はウイルス対策について何らかの心配をしていると考えてはいました。そして、手袋の着用を目にした時には、『想像以上だ』と思ったのです」と、ボレンダー氏は語る。

By LISA MARIE PANE Associated Press
Translated by Mana Ishizuki

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