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Sunday, April 19, 2020

無罪示唆の「爆弾証拠」、滋賀県警は15年間も隠していた 冤罪生み出した「黒い正義」~湖東記念病院再審から考える(京都新聞) - Yahoo!ニュース

 「大変なモノが出てきた」。2019年11月初旬、西山美香さん(40)の無罪を求め、再審公判の準備を進めていた弁護団に衝撃が走った。大津地検から開示された新たな証拠を精査していた時だ。見つかったのは男性患者の死亡が事故だった可能性に言及した滋賀県警の捜査報告書。「全くの想定外。一審段階で判明していれば、判決に大きく影響していた」と井戸謙一弁護団長は憤る。

 西山さんはわざと人工呼吸器のチューブを外して患者を殺したとして、05年に殺人罪で懲役12年の判決を言い渡された。確定判決は、患者の死因について、解剖医の鑑定を基に「チューブ外れで酸素が途絶えたことによる急性心停止」と断定していた。

 しかし、新たに見つかった捜査報告書には「チューブのたん詰まりにより、酸素供給低下状態で心臓停止したことも十分考えられる」と医師の所見が書かれていた。他殺か事故かを断定できないことを意味していた。報告書の作成日は、04年3月2日。西山さんが逮捕される4カ月も前だ。

 所見を書いたのは死因を「急性心停止」と鑑定した解剖医と同じ人物。捜査報告書の作成者は、西山さんが好意を抱いた取り調べ担当の男性刑事だった。再審に詳しい鴨志田祐美弁護士は「爆弾のような証拠。しかも、西山さんを有罪に追い込んだ刑事が書いているなんて怒りを禁じえない」とあきれかえる。

 なぜ、重大証拠が今更見つかったのか。

■証拠開示があれば、冤罪は起こらなかった

 2019年3月の再審開始確定後、地検は県警に未送致資料を送るよう指示していた。すると、県警が内部に残していた捜査資料が多数あることが7月に分かった。県警は15年半も手元に隠していた。

 衝撃は大きかった。証拠が明らかになった直後、大津地検は再審公判での新たな有罪立証を断念した。検察関係者は「(断念に)大きく影響したことは間違いない」と打ち明けた。3月31日の再審判決の説諭で、大西直樹裁判長は「証拠開示が適切に行われていれば、(冤罪(えんざい)は)起こらなかった」と、県警の「証拠隠し」を批判した。

 刑事訴訟法は、警察が捜査で集めた証拠物は検察に送致する、と定めている。メモ書きなど全証拠を送ると膨大になるため、慣例上ある程度は裁量があるが、正式な捜査報告書を送致しないのは「違法の可能性が極めて高い」(井戸弁護団長)という。

 県警は判決後、「本来であれば、法令に基づき検察に送致されるべきだった」とし、同法違反の可能性があることを事実上認めた。しかし、未送致だった理由は「捜査員に聞き取ったが、判然としなかった」と説明。当時の捜査1課幹部だったOBらへの調査をしないといい、解明には後ろ向きだ。

 裁判では、全ての証拠が検証され、公正に審理されることが大前提だ。だが、現実は違う。警察や検察による証拠隠しは、多くの冤罪事件で繰り返し明らかになっている。

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