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Sunday, March 29, 2020

新型コロナ>無観客、声援の大切さ実感:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大相撲春場所は史上初めて無観客で開催された。ファンが観戦できなかっただけでなく、力士もさまざまな制約を受けた15日間。厳戒態勢を敷いたことで、なんとか無事に乗り切った。一方、バスケットボール男子のBリーグは無観客で開催したが、選手らの不安の声がより高まったことで、今季の残り日程を全て中止するという事態に。結果は対照的ながら、どちらも無観客での開催の難しさが浮き彫りとなった。

◆大相撲 厳戒態勢で乗り切る

 八角理事長(元横綱北勝海)が感極まったように声を詰まらせた。初めての無観客開催となった大相撲春場所を締めくくる協会あいさつ。「千秋楽にあたり、謹んでごあいさつ申し上げます。本日…」。口元を引き締めて黙り込み、手元の紙に向けていた視線を無人の館内へ。ファンや関係者に感謝する言葉を継ぐのに、10秒ほどの間を要した。

 多くのスポーツが中止や延期を強いられる中、初日1週間前の3月1日に無観客での開催を決めた。初日のあいさつで神事としての大相撲の成り立ちを説明した八角理事長は「無観客でも平安を祈願してやる覚悟があった。国民を代表して平安を祈る、まさしくそれが大相撲の役割だと思っている」と明かす。

 危急の時期に、大相撲だからできることがある。信念に基づいて中止を避けた。一方で安全はもちろん何よりも優先される。力士ら協会員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合はすぐに中止する方針で臨んだ15日間は、異例ずくめの厳戒態勢だった。

 力士らの移動は電車やバスなど公共交通機関を避けて全員がタクシーなどを利用。費用はすべて協会が負担した。朝夕2度の検温が義務付けられ、37・5度以上が2日続いた場合は休場させると決めた。40度近い熱が続いて途中休場した幕内の千代丸は、場所中にPCR検査も受けた。結果は陰性。感染者が出れば中止という緊張感で張り詰めていた関係者全員が胸をなで下ろした。

 不要な外出は禁じられ、会場のアリーナに来る以外は宿舎で過ごすしかない。会場に一度入ると再入場ができないため、関取衆の付け人を務める若い力士の中には朝から夕方までアリーナにとどまらざるを得ないケースも。力士が少ない片男波部屋の玉鷲が付け人が足りずに自分で荷物を持って帰るなど、普段の場所では見られない光景も多かった。

 行司や呼び出しなどを含めて各部署から代表者を集めた「無観客開催運営プロジェクトチーム」をつくり、連日会議を開いて運営面の問題をささいな点まで話し合い、情報を共有した。関取衆からは「夜も毎日親方と食事なので気持ちが休まらない」「スマートフォンを見るしかやることがない」とこぼす声も聞こえたが、危機感は大相撲に携わる誰もがともにしていた。

 結果的に千秋楽までを無事に乗り切った。朝乃山の大関昇進という明るい話題も、場所を開いたからこそ。静かな土俵で戦った力士からは、普段は当たり前に感じている声援に感謝する声が多く上がった。ファンのありがたみがあらためて実感させられる場所でもあった。 (海老名徳馬)

無観客開催となった大相撲春場所で土俵入りする幕内力士=8日、エディオンアリーナ大阪で

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◆Bリーグ 不安の声で日程中止

 約1カ月ぶりに試合ができた喜びよりも、戸惑いが大きかったのだろう。14日、バスケットボールBリーグ1部(B1)の千葉−宇都宮。無観客で実施された試合後、日本代表の司令塔、千葉の富樫勇樹は複雑な表情を浮かべていた。

 「いろいろなリスクを背負って、本当にこの状況でプレーしなきゃいけないのか」

 1試合平均の観客動員数がリーグトップの千葉。本拠地の船橋市総合体育館で行われたこの日の試合は、5000人を超えるファンが訪れるはずだった。フリースローがネットを揺らす音が響き、淡々と試合が進む異様な雰囲気。宇都宮の比江島慎は「声援があってこそ試合は成立する。大勢が見てくれていた方がモチベーションは上がるので、試合への気持ちの持っていき方は難しかった」と吐露した。

 当時、既にプロ野球の開幕延期が決まり、選抜高校野球大会は中止の判断が下されていた。その中で無観客での開催を選んだBリーグ。だが、再開初日の14日にはB1北海道の3選手が体調不良を訴えて川崎−北海道が、15日は審判の発熱で千葉−宇都宮がいずれも中止に。「日本を元気づけたい」という理念のもと、再開に踏み切った決断は裏目に出た。

 富樫以外にも疑問の声を上げる関係者は少なくなかった。千葉の大野篤史ヘッドコーチは「選手同士のコンタクト(接触)が多く、汗も飛ぶスポーツ。(感染を危惧する)こちらの思いをくんでほしい」と訴え、北海道の折茂武彦は「この状況で試合をやることに本当に意味があるのかと思う」と首をかしげた。17日に開かれた臨時実行委員会で再度の中断を決定。それでも不安はぬぐいきれず、一部の海外選手が帰国や退団する事態に発展した。

 リーグは27日、今季の残り全試合の中止を発表し、シーズンは閉幕した。選手や関係者の安全は確保できることになったが、プロリーグであるゆえに興行でもある試合の中止は各チームにとって収入面で大きな打撃となる。順調にファンの裾野を広げ、4季目で訪れた初めてとも言える試練。大河正明チェアマンは「日本のプロバスケットボール界を発展させていくべき立場としても、バスケットボールを愛する一人の人間としても非常につらい決断になった」と話した。(中川耕平) 

無観客で開催されたBリーグの千葉−宇都宮戦

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