大会3連覇を達成した大阪薫英 [写真]=バスケットボールキング
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3
昨年のウインターカップベスト4が決勝で対決
2月22日、23日の2日間、おおきにアリーナ舞洲(大阪市)で行われた「第30回近畿高等学校新人大会」。女子決勝に進出したのは大阪薫英女学院高校(大阪府)と京都精華学園高校(京都府)、ともに昨年のウインターカップでベスト4に進出した強豪チームだ。ベスト4に大阪府のチームが3つ残った今大会。準決勝では大阪薫英が大阪桐蔭高校(大阪府)を77-48、京都精華が大塚高校(大阪府)を101-51とともに完勝して決勝へコマを進めた。
迎えた決勝戦、京都精華は昨年から主力だった荻田美とトラオレ・セトゥを中心に高さを生かしたオフェンスで大阪薫英に襲い掛かる。開始直後は京都精華がリードを奪うものの、大阪薫英は次第にそれにアジャスト。サイズは小さいが当たりでは京都精華を圧倒して、タフショットを強いるようになった。
39-31と大阪薫英リードで迎えた第3クォーター、京都精華は中江美友が積極的にシュートを放った。それに呼応してセトゥがオフェンスリバウンドをねじ込んでバスカンを奪うなど猛追を開始。中江の3ポイントとセトゥのゴール下が決まると52-46と反対にリードを奪った。第4クォーター、安田茉耶の3ポイント、宮城楽子の速攻でリードを奪うが、セトゥがゴール下で踏ん張り京都が押し返す。途中残り7分でそれまで得点やリバウンドで踏ん張ってきた1年生センターの佐藤双羽がファウルアウトして、大阪薫英は追い込まれたかに思えた。
その佐藤に代わって奮闘したのが木下風奏だ。木下は逆転となった3ポイントシュートを決めると、その後もドライブで京都精華ディフェンスを崩す。さあに残り1分26秒にはとどめとなるジャンプシュートを沈め、大阪薫英が75-71で京都精華を振り切った。
両チームとも未整備な部分が多いだけに、これからの成長が楽しみ
近畿新人では3度目の決勝進出を果たした京都精華。ベンチで指揮を執る山本綱義アシスタントコーチは「昨年(のウインターカップで)ベスト4まで残ったチームは高橋(未来、3年)を中心に作りました。それだけに彼女に頼っていた部分も大きかったので、新チームへ切り替えは不安がいっぱいだったと言えます。その意味では選手たちは頑張ってくれたと思います」と、一定の評価を与えた。
ただし、司令塔の高橋が抜けただけに、「ガードがいないに等しい状況でコントロールができていない。スピードがあってもビジョンがない、ビジョンがあってもスピードがなかったりという選手しかいない。なので今後はガードを育てないと」と課題を語る。「チームプレーもこれからです。それに(系列の)中学から上がってくる新入生も楽しみ」と今後を見据えた。
優勝した大阪薫英の安藤香織コーチは「ウインターカップ(が終わって)から時間がなく、未熟な部分は多いです」と現状を明かした。「今度のチームは身長が小さく、加えてインサイドが下級生で経験も少ないので、どうやって強みを作っていくか。これからも試行錯誤をしていきます」。
大阪薫英には毎年、どのようにして全国の頂点を目指すのかという命題が与えられる。同じ時期に行われていた東海新人ではそのライバルと言える桜花学園高校(愛知県)と岐阜女子高校(岐阜県)が激しい戦いを繰り広げていた。「一戦ずつチームらしくなってきましたが、桜花さんや岐阜女子さんにはこれでは戦えない。もう少し変化しないとですね」と、最後は自分に言い聞かせるように安藤コーチは総括した。
大阪薫英はこれで大会3連覇を達成するとともに、自身が持つ大会最多優勝記録を19回に更新。新チームでも全国上位進出が見込まれる両チームだけに、今後どのようにチームが成長していくかにも目が離せない。
文・写真=入江美紀雄
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February 21, 2020 at 07:29PM
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今後の成長が楽しみな大阪薫英が京都精華を破って大会最多の19回目の優勝! - バスケットボールキング
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